整体師のりょうです。肩こりになった経験が無いという人に出会ったことがありますが、それはただ感じていないだけで、実は非常にこっている場合が多いです。
考えようによっては、感じていないというのは幸せなことです。ただ、そういうケースはいつか大変なことになる可能性もあります。自分の身体ですから、本当はこりという異変をちゃんと感じていたいものです。
前回、前々回は肩甲骨のことについて書きました。肩こりの原因は、肩に無い場合が多いということをこれまでにもご紹介しています。今回は、肩ではなく腕に肩こりの原因があることを知っていただきましょう。
腕がこっている?
私の整体院に肩こりで来院される方の多くは、実は腕にも問題があり、「腕がこっているなんて気付かなかったわ~……」とよく言われます。私に触られて初めて気付かれるわけですが、なかなかほぐれず、手ごわい場合がとても多いです。「肩こりは感じていても、腕のこりは感じていない」という場合は、こり固まり過ぎた状態と言えます。
これからご紹介するストレッチは、写真で見るととても簡単です。ただ初めて行う場合は、ゆっくり少しずつ行ってください。なぜなら、こり固まった人がいきなりきつく行うと、肩周辺がつることもありますのでご注意ください。
寝転んで腕のストレッチ
それでは今回のストレッチを始めていきましょう。まずあおむけに寝転んでください。どちらの腕から行ってもよいですが、写真に従ってまずは右腕から始めていきましょう。
両腕を上げてバンザイするような格好から、左手で右手の手首を握ってください。そして左手で右手を引っ張るようにして、右手を頭の下へ移動させます。そこからさらに左手で右手を引っ張ります。グッと引っ張ったら、頭を床方向に押しつけます。
写真を見ながら順にもう一度説明しましょう。
似たような形のストレッチを立ったまま、あるいは座ってしたことありませんか? その場合は、手首ではなく肘を引っ張るとより効果的なのですが、今回のストレッチとぜひ比べてください。こちらの方がはるかに効き目は大きいはずです。
ストレッチは身体を安定させると効果的
私はストレッチを教える場合、身体を必ず安定させるようにお伝えしています。今回のように寝転んですることで、腕や上半身が床に固定されるため、ストレッチ効果が大きく期待できます。立って行うと腕も上半身も支えが無く動いてしまうため、一定の効果を出しにくくなります。もし立ったまま行う場合は、壁に上半身を押しあてると、今回と同じような効果が期待できます。
どこが伸びるか必ず意識する
さて、今回のストレッチであなたはどの部分が伸びましたか? このストレッチを実施する際は、どこが伸びるかを必ず意識してほしいです。ここまで一言で「腕」と書いてきましたが、腕といってもそのどこが伸びるかはあなた次第。中には、脇や背中まで一緒に伸びる人もいるはずです。
少し引っ張る力を変えたり、押しつける力を変化させたりすると、効果が変わる点も確認してほしいです。一番気持ちよいところを探してギューっと伸ばしたら、20~30秒静止しましょう。一度頭を浮かして、もう少し引っ張ってまた20~30秒静止というように、ご自身で筋肉の状態を確認しながら行ってください。写真では右腕のストレッチを行いましたが、左腕も同様に行ってくださいね。
著者プロフィール
鮎川 良
奈良県の学園前にて「RYO整体院」を営む整体師ランナー。整体師だからこそ分かる身体のメカニズムを基に、ストレッチの重要性を説き、クリニックも開催する。ストイックにタイムを追求するよりも、健康で楽しいマラソンライフを提案。筋肉痛になりにくい身体作りや疲労回復のケア方法、自身が提唱する疲れにくいランニングフォーム「エンジョイラン走法」で、フルマラソン走破を目指す人のサポートをしている。著書に『がんばらないで楽に長く走る』(学研パブリッシング)がある。また、累計268万アクセス超の人気ブログ「整体師に学ぶ~マラソンによる筋肉痛改善方法と、フル完走ノウハウ」も執筆している。