整体師のりょうです。肩こりで困ってらっしゃる方はとても多いのですが、その原因に関してある医師がテレビで発したコメントに驚いたことがあります。それは「欧米人に肩こりは無く、日本人に肩こりが多いのはお辞儀をする文化があり、箸を使うから」というものです。

信じるも信じないもあなたの自由ですが、テレビで堂々と言われると信じてしまう人も多数見受けられそうです。そんな言われもある肩こりですが、ストレッチで解消できますので実践してみてください。

肩甲骨を寄せる

今回のレッスンを始めるにあたり、まずは両手を上下左右に大きく伸ばして、周りに接触する物が無いことを確認してください。

立った状態で、両手を後ろに組んだ状態からスタートします。そこから、組んだ手の甲が天井に向くよう返してください。そして、その組んだ両手をゆっくり後ろから天井方向へ動かしていきます。上体はその動きにより前かがみになっていきますので、行ける所まで曲げてみてください。ただし、無理のない程度に行ってくださいね。

両手を後ろで組む

手の甲が上に向くよう返す

ゆっくり上向きに動かす

上体は前かがみになっていきます

最終形(角度を変えて撮影しました)

このときに意識するのは肩甲骨です。肩甲骨の場所は前回の記事をご覧ください。また前回同様、肩甲骨が「ギューっ」と寄っていくイメージを必ずしてください。呼吸は絶対に止めず、ゆっくり息を吐きながら上体を倒していき、20秒静止した状態でゆっくり呼吸するとさらに効果的です。

タオルを使って簡単ストレッチ

身体の硬い人はなかなかここまで腕が上がらないと思いますので、簡単な方法もご紹介しましょう。

フェースタオルを1枚ご用意ください。両端を持って両手を高く上げます。そこから、ゆっくりと息を吐きながらタオルが頭の後ろを通るように両手を下げていきます。このときにも肩甲骨が寄ることを意識してください。下げた状態で20秒キープすればさらによいでしょう。

タオルを持って高く腕を上げる

ゆっくり腕を下げるとき、タオルが頭の後ろを通るように

タオルを持つ両手を、広くするときと狭くするときでは効果が変わります。自分に合った幅を探してくださいね。

両手が背中で組めるようになるために

せっかくタオルを出してきたのですから、もうひとつストレッチをやってみましょう。

「両手を背中の後ろで組めますか? 」などのやり取りをテレビで見たことがありますが、あなたは実際に組めますか? 組む際に右左で違いがあるという人は、肩甲骨の動きに違いがある証拠です。

タオルの両端を持って高く腕を上げます。そこから左手をゆっくり下へ回してください。腕は反対方向には曲がりませんので、自然にタオルが左手に巻きつくようになるはずです。そしてゆっくりと右腕を上へ引き上げると、左手が勝手に引き上げられていきます。どこまで左手が上がるかゆっくり上げていきましょう。

この動作をする際は、必ずゆっくりゆっくり行ってくださいね。少しでも痛みがあれば、それ以上引き上げるのをやめてください。このときには、左腕のストレッチもできているはずです。

タオルの両端を持って手を上げます

ゆっくり左手を下へ回しますが、タオルを離さないように

左手にタオルが巻きつきます

ゆっくり右手を引き上げていくと、左手が上がってきます

痛みのない程度に、どこまで上がるかやってみましょう

最終形(両腕をやってみて、左右の違いが無いか確認)

私は右腕の方が上がりにくいです。おおむね右利きの人は私と同じだと思います。利き腕は、そうでない方に比べて腕や肩甲骨周りに筋肉が多いため、上がりにくいものと考えます。実は肩こりの原因のひとつに腕が大きく関係しているのです。腕をほぐすと肩こりも解消していきますので、ぜひお試しください。

肩こりの原因は、肩甲骨の可動域にある

冒頭の日本と欧米における肩こり事情に関連しますが、「骨格がガッチリしており、肩甲骨の可動域が広いと肩こりになりにくい」という考えを私は支持しています。東洋人の骨格全般はそこまでガッチリしていないため、日本人だけではなく中国やタイなどにも肩こりが多いわけです。

肩こり解消法はまだまだありますので、次回以降も紹介していきます。

著者プロフィール

鮎川 良
奈良県の学園前にて「RYO整体院」を営む整体師ランナー。整体師だからこそ分かる身体のメカニズムを基に、ストレッチの重要性を説き、クリニックも開催する。ストイックにタイムを追求するよりも、健康で楽しいマラソンライフを提案。筋肉痛になりにくい身体作りや疲労回復のケア方法、自身が提唱する疲れにくいランニングフォーム「エンジョイラン走法」で、フルマラソン走破を目指す人のサポートをしている。著書に『がんばらないで楽に長く走る』(学研パブリッシング)がある。また、累計268万アクセス超の人気ブログ「整体師に学ぶ~マラソンによる筋肉痛改善方法と、フル完走ノウハウ」も執筆している。