エアバス(本社: 仏トゥールーズ)は現地時間の3月9日、米ロサンゼルスを拠点とする航空機リース会社のエア・リース・コーポレーション(ALC)がA330-900neoを25機とA321LRを30機、合計55機を正式発注したことを発表した。

A330-900neo

A321LRはA320neoファミリーの派生機で、A321neoの最大離陸重量を97tに増加させたタイプ。ALCは2014年のファーンボロ航空ショーにて、ローンチされた新型エンジンを搭載する広胴型機A330neoファミリーに対して最初に発注意向を表明しており、A321LRのローンチカスタマーでもある。A321LRの発注覚書は2015年1月に締結され、2014年にA321neoを60機発注し、A321neoに対する合計発注数は90機に増加した。

今回確定発注した30機のA321neoと25機のA330neoを合わせると、ALCのエアバス機に対する合計発注数は258機になる(A320ceoが53機、A320neoファミリーが140機、A330ファミリーが15機、A350 XWBファミリーが25機、A330neoファミリーが25機)。

A321LR

A321neoの最大離陸重量を97tに増加させた派生機であるA321LRは、航続距離が4,000海里(7,408km)に延長される。これは単通路型機の中で最長の航続距離で、大西洋横断路線での運航に最適な機体となる。これにより、航空会社は従来の単通路型機では実現できなかった新たな長距離路線市場開拓も可能。快適な2クラス制の客室に206席を装備する。初号機の引き渡しは2019年に開始される予定。

A330-800neoとA330-900neoは、エアバスのワイドボディ機ファミリーの新型派生機。2014年7月にローンチされ、初号機の引き渡しは2017年第4四半期(10月~12月)の予定。ロールス・ロイス社製新型エンジンのトレント7000エンジンを装備する。また、空力性能を強化して客室装備も改良する。

A330neoは、A330ファミリーの経済性と柔軟性、高い信頼性を受け継ぎ、座席あたりの燃費を14%削減する。中距離用ワイドボディ機市場において最もコスト効率の優れた航空機となる。大幅な燃費削減のほか、最大400海里(740.8km)航続距離が延長され、他のエアバス機ファミリーとの運航共通性を保持する。