日本銀行は20日、2014年10月の地域経済報告(さくらレポート)を発表した。それによると、全国9地域のうち東北地域の景気判断を前回(7月)から下方修正し、残り8地域については判断を据え置いた。

東北地域は公共投資や生産(鉱工業生産)が下振れしたことなどから、前回の基調的には「回復を続けている」から「緩やかに回復している」に引き下げた。一部の地域で判断を下方修正するのは2013年1月以来、1年9カ月ぶり。

地域経済報告(さくらレポート)「地域からみた景気情勢」(出典:日本銀行Webサイト)

このほかの地域については、北海道、北陸など5地域は「緩やかに回復している」、関東甲信越と四国の2地域は「緩やかな回復を続けている」、東海は「回復を続けている」に据え置いた。

項目別に見ると、個人消費については、北海道の判断を前回の「緩やかに回復している」から「回復している」に引き上げた一方、北陸や東海など4地域で「緩やかに持ち直している」、東北や関東甲信越など4地域で「基調的に底堅く推移している」にそれぞれ据え置いた。

生産(鉱工業生産)については、東北、関東甲信越、中国、四国の4地域で下方修正、北陸のみ上方修正した。業種別に見ると、電子部品・デバイスは「増加している」などとなった一方、電気機械、情報通信機械、金属製品などで「駆け込み需要の反動の影響等がみられることなどから、このところ弱めの動きとなっている」となった。