沖縄の人はみんながみんな、泳げるわけではない

旅行で沖縄を訪れた時、「沖縄に住んでいたら毎日泳ぎたい」「晩酌は泡盛」などと夢をみたり、「やっぱり、おやつはサーターアンダギーなのか」などと想像したりなど、沖縄の生活を思うこともあるだろう。しかし、沖縄の人に聞いてみたところ、「そんなんじゃない!」と思うこともあるそうだ。そんな勘違いされている沖縄を、沖縄出身者に聞いてみた。

■みんな泳げると思っている。小中高校時代プールがなかったし、海に行ってもほとんど泳がない(主婦/55歳/女性)

■海によく行くんでしょ?って言われるけどあんまり行かない(販売職・サービス系/28歳/女性)

■みんな泳げると思っていること(主婦/58歳/女性)

エメラルドグリーンに輝く海がすぐそばにある沖縄といっても、どの学校の側にも海があるわけではない。また、沖縄出身の友人に聞いたところ、授業の一環として海で泳ぐということはほぼないそうだ。特に昔はプールを設備していない学校も多かったため、泳げない人も多かったという。

あの美しい海を毎日見れるとなると、逆に「今日は海に行くぞ!」とイベント化しないとスルーしてしまうのかもしれない。都内に住んでいると、地元の友人に「いつでもディズニーに行けるね」と言われることがあるが、実は10年前に行ったっきり……というのと同じ感覚なのだろう。

■よく「英語話せるんでしょ?」って聞かれた(主婦/55歳/女性)

■みんな英語がしゃべれると思っている。ちなみに私は1mmもしゃべれない(事務系専門職/24歳/女性)

現在でも在日米軍基地・専用施設が国内で一番多い沖縄にはアメリカ人も多く、一部のスーパーなどで米ドルも使えるという。沖縄を歩いているといろんなところで英語表記を目にすることがあるのだが、もちろん、英語を使えない地元民も少なくない。とは言え、沖縄は他の地域よりも英語に触れる機会は多いだろう。

■みんながみんな、集合時間に遅れてくるわけじゃない(フリーター/26歳/女性)

■時間にルーズ。ルーズといえばルーズだが、沖縄の人からすればそれはルーズではない(事務系専門職/24歳/女性)

「沖縄県民が他地域でびっくりしたこと」でも触れたように、南国特有のゆったりとした時間が流れる"沖縄タイム"ゆえの時差はあるだろうが、いつでも遅れるということではないよう。ただ、「沖縄の人からすればそれはルーズではない」という言葉に、どの範囲までOKなのか? と突っ込みたくはなるところ。もし時間に遅れて来た人がいたとしても、「遅刻!」と頭ごなしに否定するのではなく、その人の時間感覚も理解する努力をしてみるといいかもしれない。

■みんな豆腐よう食べながら泡盛を飲んでいると思っていること(営業職/33歳/男性)

■「チャンプルー」にレシピがない(なんでも入れていい)と思っていること(営業職/33歳/男性)

■みんな魚介類が得意だと思ってること。自分が魚介類(貝、ひかりもの)が苦手なので、海育ちなのに嫌いなのかとびっくりされた(専門職/27歳/女性)

以前、「沖縄では一般的に、ビールはオリオンビールを指すことが多いから、そのほかのビールを飲みたい場合はその銘柄を言わなければいけない」と、沖縄出身者に言われたことがある。そのオリオンビールと同様に沖縄を代表する泡盛は、沖縄での飲みの場に欠かせないものだろう。確かに、そのそばに「豆腐よう」があれば完全に沖縄のイメージだ。

海に囲まれた沖縄ではさぞかし魚も……と思ってしまうが、亜熱帯海域の魚は比較的脂ののりが少なく、調理方法も限られるようだ。一方、肉では牛肉や鶏肉と比べても、断然、豚肉を使った料理が多いため、「よく豚肉を食べている」というイメージは間違いないだろう。しかし、「沖縄県民も実は苦手な沖縄料理」で挙がる豚料理もあるようなのでご注意を。

■地域によっては成人式は荒れてない。他の地域の方が荒れていると思う(自由業/27歳/女性)

警察も出動している様子が報道されることも多いため、「沖縄の成人式=荒れている」というイメージが定着しているようだが、新成人たちが国際通りでゴミ拾いをするということもあるそう。そうした一面もあることを心にとどめておきたい。

筆者の友人が「おやつだよ」とサーターアンダギーを持ってきてくれた時、「こっちが期待することに応えてくれているなぁ」とうれしくなったことがある。もちろん、そのイメージが実際とは違うこともあるだろうが、「○○って違うの?」などと他地域の出身者に聞いてみると意外な発見もあるかも!

※本文と写真は関係ありません