日本百貨店協会は19日、2014年8月の全国百貨店売上高を発表した。それによると、売上高総額(店舗数調整後)は前年同月比0.3%減の4,272億円となり、5カ月連続で前年を下回った。なお、下げ幅は前月(2.5%)から縮小した。調査対象は84社241店。

8月は、2つの台風や西日本を中心とした大雨など天候不順の影響により、月の前半まで低調に推移したが、下旬からの気温低下で秋物需要が伸びたほか、日曜日が前年より1日多かったことなどもあり、最終的には前年実績に迫る水準まで回復した。

地区別に見ると、6地区(東京:前年同月比1.3%増、大阪:同2.5%増など)で前年を上回ったことが寄与し、大都市(10都市)は同0.5%増と消費増税後初めてプラスに転じた。一方、地方(10都市以外)も同1.9%減と、下げ幅は前月(4.9%減)から3ポイント改善した。

商品別に見た場合、主要5品目のうち、ラグジュアリーブランドなどの特選雑貨が好調な「身のまわり品」が前年同月比1.6%増、高級時計が復調している「雑貨」が同0.8%増と、ともに5カ月ぶりにプラスに転換。このほか、「衣料品」は同1.2%減、「食料品」は同0.6%減、「家庭用品」は同2.4%減となった。

商品別売上高(出典:日本百貨店協会Webサイト)

訪日外国人売上高については、中華圏とアセアンを中心に韓国も復調し、売上高は前年同月比41.3%増、購買客数は同53.9%増と、ともに大幅に増加。8月としては過去最高となる約47億円の売上を記録した。