葛西臨海水族園では、「オールドウーマンエンゼルフィッシュ」の成魚と幼魚を見比べ、成長の様子を観察するとができる。

青みがかった灰色の「オールドウーマンエンゼルフィッシュ」の成魚

"パンツをはいたら一人前?"、の「オールドウーマンエンゼルフィッシュ」

「オールドウーマンエンゼルフィッシュ」は、成魚と幼魚で模様が異なる。成魚は全体的に青みがかった灰色をしているが、体の後方から尾の付け根にかけて、体色が淡くなっている部分があり、一方幼魚は、紺色の体に鮮やかな青い縞模様が入っている。

幼魚の紺色の体には、鮮やかな青い縞模様が入っている

この魚をはじめとしたキンチャクダイ科の仲間の多くは、"縄張り"を持つ魚であり、同種のほかの魚が縄張りに入ってくると、良い餌場を取られては大変と、相手を激しく攻撃し追い出すという。もし体の小さい幼魚たちが成魚に追われた場合、とても勝ち目はなく、諸説あるうちのひとつには、幼魚は成魚とまったく異なる外見を持つことで、「大人の争い」に巻き込まれないようにしているというものがある。

同園の、世界の海エリア「紅海」水槽では、大きさの異なる2尾の「オールドウーマンエンゼルフィッシュ」を飼育しており、見比べると模様が異なることがわかる。

最近は、幼魚の模様に変化が出てきており、鮮やかな青の縞模様が減り、成魚の証である淡い色の部分がうっすらと表れ、ちょうど幼魚と成魚の中間という感じだという。幼魚が完全に成魚の模様になったとき、2尾の関係がどう変化するかわかないが、今はまだ争うこともなく暮らしている。

同園飼育展示係・堀田桃子氏は、「私には成魚の淡い色のところがどうしてもパンツに見えてしまうので、勝手に『パンツをはいたら一人前』」と思っています。この模様はみなさんにはどのように見えるでしょうか? 大人の階段をのぼるオールドウーマンエンゼルフィッシュをぜひ見にいらしてください」とコメントしている。

同園の所在地は、東京都江戸川区臨海町6-2-3。開園時間は、9時30分~17時(入園は16時まで)。休園日は毎週水曜日(祝日のときは、翌日)。入園料(税込)は、一般:700円、65歳以上:350円、中学生:250円。小学生以下および都内在住、在学の中学生は無料。