昨年ユネスコの「無形文化遺産」に登録された“和食”。その和食とともに欠かせない飲み物として古くから日本人に愛されている“緑茶”が国内外で注目を集めているという。

緑茶は、人間の健康に役立つさまざまな機能性成分が含まれていることでも知られる。その代表格とされるのが緑茶カテキン。お茶の渋みの主成分にあたるポリフェノールの一種で、抗酸化作用、抗菌作用、抗インフルエンザ作用などさまざまな健康効果が報告されている。

また、2013年に「第54回 日本神経学会学術大会」で発表が行われた、伊藤園中央研究所・静岡県立大学薬学部の山田浩教授と社会福祉法人白十字ホームの共同研究によると、緑茶抹の摂取による認知機能低下の改善がヒトを対象とした臨床試験においても確認されている。

臨床試験を行った山田浩教授は「短期間に緑茶を大量に飲んで一気に緑茶カテキンを摂るのではなく、毎日こまめに緑茶を飲んで、より効率よく緑茶カテキンを摂ることによって、認知機能の改善効果が得られる可能性があることが期待される」と研究結果についてコメント。また伊藤園中央研究所長の提坂裕子氏は「緑茶カテキンには、紫外線や化学物質による遺伝子の変異を抑え、細胞の異常な増殖を抑制する作用があり、さまざまな研究において、発がんやがん細胞の増殖および転移を抑えることが報告されている」と緑茶による健康効果への期待の高さを語っている。