20代では、作ること・使うことも大事!?

新年度が始まって、そろそろ新しい体制に慣れた頃でしょうか? 5月病になっていませんか? 今回は「お金のこと」を少し俯瞰(ふかん)、筆者自身が「20代でやっておいて良かったお金のこと」を紹介します。

その1)"自分のお金を使う傾向"を知る
"自分のお金を使う傾向"を知っておくことは、お金と付き合う上でとても大切なことです。「旅行にはお金をかけよう」「洋服はそこそこでいいや」といった感じでお金の使い方にメリハリがつけられるようになって、むやみな節約をしなくとも無理なくお金を貯めることができるようになりました。

"自分の傾向"を知るためには、小遣い帳をつけてみましょう。筆者はワードで小遣い帳を自作して週単位で集計し、年単位で"自分のお金の使い方"の分析をしていました。そういったことに時間が割けるのも20代の良いところです。自作の小遣い帳は友人にも好評だったので、コピーを配ったりもしていました。周囲のみんなとゲーム感覚で小遣い帳をつけていたのも懐かしい思い出です。

筆者が作った週単位の小遣い帳

その2)"種銭"を作る
"種銭"とは、お金を貯めるキッカケのお金です。イメージとしては、雪だるまを作る最初の雪の塊のようなもの。種銭ができると、「もうちょっと貯めてみようかな」という、いい意味での"欲"が出てきます。欲が出てくれば有利な預け先を調べたり、ムダ遣いを減らす努力をしたりといったことが、苦にならずにできるようになります。

種銭を作るには、給与振込口座に自動積み立てを設定するのがおすすめです。ポイントは、自動積み立ての引き落とし日は給料日直後を指定すること。こうしておけば残高不足で自動積み立てができないということもなく、着実な"先取り貯蓄"をスタートすることができます。

その3)保険について考えてみる
20代で未婚の場合、考えておくべき保険は医療保障です。とりわけ女性は妊娠すると、入ることができる医療保険が限られてしまったり、妊娠に関係する部位が不担保(保険がかけられなくなること)になったり、場合によっては医療保険そのものに入れないこともあります。

筆者自身は20代の後半に、医療保障に入りました。これが大正解。第1子の時は乳腺炎で1週間、第2,3子(双子)の妊娠時は切迫早産で3カ月入院することになりましたが、総額で100万円超の保険金をもらえたので、入院中の不安を軽減することができました。ちなみに筆者が入っている医療保険の保険料は、年間で3万円程度(年払いの場合)です。この経験を通じて、女性は妊娠が視野に入ってきたら医療保障は一度チェックしてみてほしいと思います。

その4)お金の勉強を少しする
お金の知識を持つことは、お金についての不安を和らげます。例えば、「将来、病気で働けなくなったらどうしよう」という不安に対して、会社員の人だったら傷病手当金や障害年金についての知識があれば、将来に対する不安はかなり軽減するはずです。両方とも社会保険の制度なのですが、日本は意外と社会保障が充実しているのです。

こういった知識を筆者自身は20代の後半に、ファイナンシャルプランナー(現FP技能士)の資格をとることで体系的に学びました。今はお金のことについて書いてある本やムックがたくさん出ているので、1冊ザっと目を通してみるだけでも随分と勉強になりますよ。

その5)思いっきりお金を使ってみる
実は、これが一番言いたいことだったりします。30代で家族を持ち、40代で住宅ローンを抱えたり子どもの教育費がかかるようになったりすると、自分で自由に使えるお金は本当に限られてきます。だからこそ、20代で自分のお金を思いっきり「好きなこと」や「やりたいこと」に使っておいてほしいと思います。

筆者は貯蓄はしつつも、使える範囲のお金でバブル世代(死語!?)だったこともあり、海外・国内旅行、食事、ショッピングなど、自分の楽しみにも積極的にお金を使いたいだけ使いました。「あれをしたかったのに……」といった「思い残すこと」がないのが全くないので、家族優先のお金の使い方をしている今の生活を、とても納得して送ることができています。

筆者プロフィール : 楢戸 ひかる(ならと ひかる)

1969年生まれ 大手商社勤務を経てフリーライターへ。中学生と小学生の男児3人を育てる主婦でもある。生活に役立つ情報を「主婦er」にて更新中。