今年2月7日に肺腺がんで亡くなった男性デュオ・東京プリンの牧野隆志さん(享年49)にとって遺作となるシングル「明日笑っていられるように」が30日、発売された。

シングル「明日笑っていられるように」

同シングルは、「東京プリンとたいせつな仲間たち」というアーティスト名義で、メンバーの伊藤洋介をはじめ、YU-KI、持田香織、SOLIDEMO、AAA、倖田來未、misono、hitomi、Dream、沢尻エリカ、伴都美子、浜崎あゆみが参加し、小室哲哉がピアノとシンセサイザーで加わった。同シングルや楽曲配信によるアーティスト印税の全額、エイベックス・エンタテインメントの利益の全ては、日本対がん協会に寄付される。

2010年6月に宣告されて以来、"明日笑っていられるように今を一生懸命生きる"をモットーに闘病を続けた牧野さん。その姿を見ていたメンバーの伊藤が、「アーティストとしてこのメッセージを世の中に伝えたい」という思いから、2013年秋に東京プリン単独企画として制作がスタートした。

デモ楽曲を聴いた牧野さんは「ええやん、ええやん」と喜んだが、レコーディング目前に病状が悪化。思うように声が発せられなくなってしまったため、伊藤は東京プリンに関わったアーティストたちに協力を仰げないかと考えた。この思いに、前述のアーティストたちが共感。今年1月から急ピッチで制作が進められた。

2月7日。牧野さんは、全員のレコーディングが終わるのを待たずしてこの世を去った。伊藤の「今は生前の牧野の思いが一杯詰まったこの曲を、一人でも多くの人に聴いてもらうことこそが、残された相方である僕の使命だと考えています」という思いが込められた同シングル。この企画は4月16日に発表され、同日に配信開始した。あわせてストーリー仕立てのミュージックビデオが公開され、これまでに7万を超す再生回数を記録している。