東京商工リサーチはこのほど、2013年度の「全国企業倒産状況」を発表した。

「倒産件数と負債総額の年度推移」

倒産の抑制ぶりが目立つ

報告によると、2013年度、負債総額1,000万円以上の倒産件数は1万536件、負債総額は2兆7,749億9,200万円となった。前年度比は、件数でマイナス10.0%、負債ではマイナス9.7%だった。年度としては5年連続の減少で、1990年度の7,157件以来、23年ぶりに1万1,000件を下回った。

要因としては、「中小企業金融円滑化法」の期限切れに伴い実施された、中小企業金融モニタリング体制の効果や、金融機関が中小企業のリスケ要請に応じていることなどが挙げられるとしている。一方、同法に基づく貸付条件変更利用後の倒産は、435件(前年度305件)で約4割増と増勢を示した。業績回復が伴わず息切れする中小企業が多いことを映し出した。

原因別では、最多が「販売不振」の7,195件で、前年度比12.3%減。また、「不況型」倒産(販売不振+既往のシワ寄せ+売掛金等回収難)は8,588件(前年度比10.9%減)だったが、構成比が81.5%で、年度としては5年連続で80%を上回った。

「2013年度 原因別倒産状況 件数構成比」

業種別動向のうち、増加率が高い業種は、旅行業が前年度比20.5%増、酒類販売が同12.2%増、スーパーが同10.0%増だった。一方、減少率はゴルフ場が同52.1%減、パチンコホールが同26.6%減、宝石・貴金属関連が同23.4%減となった。年度推移で特に増加傾向がみられた業種は、社会保険・社会福祉・介護事業(25→44→69件)だった。

「増加傾向が見られる業種の倒産推移」

「2013年度 都道府県別倒産状況」(下段:前年度 負債総額単位:100万円)

大都市圏での減少が続く

都道府県別では、前年度を下回ったのが33都道府県、増加が13県、同数が1県となり、全国的に倒産の抑制ぶりが目立った。中でも、年度としては東京が5年連続、大阪と神奈川が4年連続の減少、兵庫が3年連続の減少、愛知が2年連続で減少した。

「震災関連」倒産は収束傾向に

震災から3年が経過した「東日本大震災」関連倒産は、282件(前年度442件)で、前年度より約4割減と収束傾向を強めた。