「帰宅困難者対策条例」を知らない企業の方が多い

ミドリ安全はこのほど、「都内中小企業の『防災対策』の実態調査」の結果を発表した。同調査は3日~5日、従業員300名以下の都内中小企業の総務部に勤務する人を対象に実施。300名の回答を得た。

東京都制定の「帰宅困難者対策条例」を知っている企業は半数未満

「帰宅困難者対策条例」とは、東京都内で平成23年3月11日の東日本大震災時に多くの帰宅困難者が発生し、駅周辺や道路が大変混雑し問題となったことをうけて制定されたもの。事業者の取組については、「従業員の一斉帰宅の抑制」「必要な3日分の水や食料などの備蓄」「従業員との連絡手段の確保など事前準備」などの努力目標が掲げられている。参考:「東京都防災ホームページ」

「あなたの会社の防災対策は十分に行えていると思うか」との問には、「十分に行えている」と答えた企業は12.3%にとどまった。また、「帰宅困難者対策条例」については、55%が「知らない」と回答。 努力義務である「3日分の水・主食、従業員数分の毛布」を全て備蓄できている企業はわずか8%だった。

備蓄をしない理由「場所がない」「コストがかかる」「面倒」

「車内備蓄ができていない理由」については、「備蓄品の保管場所が確保できないため」が47.2%、「コストがかかるため」が44.8%、「手間・面倒なため」が27.0%、「経営者の判断」が21.8%、「備蓄の努力義務自体を知らなかった」が21.0%などとなった。

社員同士での安否情報の確認手段を確認・周知している企業は3分の1

「災害が発生した際、社員同士での安否情報の確認手段を確認・周知しているか」については、「確認・周知している」が32.3%にとどまった。

「東京都防災マップ」の存在を知らない人が半数を越えた

また、災害時に帰宅支援ステーションや一時滞在施設などを地図で確認できるサイト「東京都防災マップ」にアクセスしたことがある人は1割にも満たず、「知らなかった」が63.3%にも達した。

3人に1人が、会社から自宅までの徒歩帰宅ルートを把握していない

「会社から自宅までの徒歩による帰宅ルート」を「把握していない」人が32.7%、靴を履いていてもクギやガラスを踏むことで怪我をしてしまう「踏抜き」を知らなかった人は56.3%となった。同社では、靴に入れるだけで「踏抜き」を防止できる「踏抜き防止インソール」の備蓄を啓蒙している。