電通は20日、国内の総広告費と媒体別・業種別広告費を推定した「2013年 日本の広告費」を発表した。それによると、2013年(1~12月)の日本の総広告費は前年比1.4%増の5兆9,762億円となり、2年連続で前年を上回った。

2013年前半は、高額商品の売れ行きが好調になるなど日本経済は上向き基調となったものの、広告費全体の押し上げまでには至らなかった。後半は、アベノミクス効果により景気が持続的に回復傾向となったほか、消費税増税前の駆け込み需要の影響が出始めたことから、好調に推移したという。

「マスコミ四媒体広告費」(テレビ広告費、新聞広告費、雑誌広告費、ラジオ広告費)は、前年比0.1%増の2兆7,825億円。四半期別に見ると、年前半は低調で、年後半に持ち直していた。

媒体別に見た場合、「テレビ広告費」は前年比0.9%増の1兆7,913億円で、2年連続の増加。上半期は、好調だった前年同期の反動減などで低迷したものの、下半期は、企業業績の改善や個人消費の持ち直しなどから出稿が活発化し、特にテレビスポット広告が同2.0%増と勢いがあった。

「新聞広告費」は前年比1.2%減の6,170億円。1~5月は前年割れが続いたが、6月以降は回復した。しかし、通年では前年比プラスとならなかった。

「雑誌広告費」は同2.0%減の2,499億円。電子化の動きや40代女性誌の大型創刊なども見られたものの、休刊なども続き、前年比プラスに至らなかった。

「ラジオ広告費」は前年比0.2%減の1,243億円。首都圏では横ばいだったが、ローカルエリアでは回復傾向にあるという。

「衛星メディア関連広告費」は前年比9.6%増の1,110億円。BS、CS、CATVすべてにおいて通販が好調だった。

「インターネット広告費」(媒体費+広告製作費)は前年比8.1%増の9,381億円。うち、インターネット広告媒体費市場の内訳を見ると、新興領域である運用型広告が高い伸びを示した。

「プロモーションメディア広告費」は前年比0.1%増の2兆1,446億円で、2年連続の増加。モーターショーなどの展示会、商業施設における各種媒体やイベント、交通広告におけるデジタルサイネージなどが全体を押し上げた。

媒体別広告費

業種別広告費(マスコミ四媒体のみ)を見ると、21業種中8業種で増加、13業種で減少。増加したのは、通販型保険商品、NISAなどが増えた「金融・保険」が前年比15.6%増、「外食・各種サービス」が同10.3%増、「不動産・住宅設備」が同5.8%増、「家庭用品」が同5.5%増、「教育・医療サービス・宗教」が同3.1%増などとなった。

一方、減少したのは、「趣味・スポーツ用品」が前年比5.8%減、「官公庁・団体」が同5.4%減、「エネルギー・素材・機械」が5.1%減、「流通・小売業」が5.0%減などとなった。