米AMDは28日(現地時間)、サーバ向けCPU「Opteron」の新製品として64bit ARMをベースとした「Opteron A1100」シリーズ(開発コード名:Seattle)を発表した。2014年第1四半期中に、CPUならびに評価ボード、ソフトウェアスイートを含む開発プラットフォームのサンプル出荷を開始する。

Opteron A1100シリーズは、これまで"Seattle"という開発コード名で知られていたCPU。製造プロセスは28nmで、CPUコアに4コアもしくは8コアのARM Cortex-A57プロセッサを採用し、最大4MBのL2キャッシュと8MBのL3キャッシュを搭載する。

メモリはECCデュアルDDR3、またはDDR4メモリ・チャネル構成で、転送速度は最大1866MT/秒。最大4基までのSODIMM/UDIMM/RDIMMをサポートする。このほか、インタフェースとして8レーンのPCI Express 3.0スロット、8基のSATA 3ポート、2基の10Gビット・イーサネット・ポートを搭載する。

また、セキュリティ面ではARM TrustZoneテクノロジや、Cryptoおよびデータ圧縮コプロセッサを備える。

2013年6月に公開したサーバ向けプロセッサのロードマップでは、"Seattle"を2014年第1四半期にサンプル出荷、第2四半期に製品を投入すると説明していた。予定通りARMベースの「Opteron」が登場したことになる。

2013年6月発表のサーバ向けプロセッサのロードマップ

2013年6月時点での"Seattle"の概要

Opteron A1100シリーズの開発キットは、マイクロATXフォームファクタとして提供される。4基のDDR3 DRAMレジスタードDIMMスロット(最大128GBまでサポート)、シングル×8、もしくはデュアル×4ポートの構成が可能なPCI Expressコネクタ、8基のSATAコネクタを備え、標準的なUEFIブートを利用できるという仕様で、スタンドアローン、または標準的なラックマウントに取り付けて使用可能なパッケージだという。

AMDでは、クロス開発用を含む標準Linux GNUツール・チェーンや、デバイスドライバに加え、Webアプリケーション開発者向けにApache、MySQL、PHPのほか、64bit ARM向けJava 7およびJava 8といったツールやアプリケーションを提供するとしている。

また、米Facebookが中心となって運営している、大規模データセンター向けのハードウェア設計・提供を目指す団体「Open Compute Project Foundation」で検討するマザーボードの共通スロット・アーキテクチャ仕様「Group Hug」の一環として、AMDがOpteron A1100シリーズを用いたマイクロサーバの設計を行うという。