厚生労働省は28日、「2013年賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を発表した。それによると、2013年に賃金(1人平均)を引き上げた、または引き上げる予定の企業は前年比4.5ポイント増の79.8%で、1999年の調査開始以降、2番目に高い水準となった。

同調査は、2013年8月に郵送方式にて行われ、常用労働者100人以上の企業2,096社から有効回答を得た。なお、東京電力福島第1原子力発電所周辺の警戒区域および計画的避難区域(市区町村単位)から抽出された企業を調査対象から除外し、当該地域以外の地域に所在する同一の産業・規模に属する企業を再抽出し代替(調査対象)としている。

2013年中に賃金を引き上げる企業は79.8%。それに対して、賃金を引き下げる企業は前年比1.4ポイント減の2.5%、賃金の改定を実施しない企業は同2.3ポイント減の12.9%だった。

賃金の改定額は前年比339円増の4,375円、改定率は同0.1ポイント増の1.5%で、ともに前年を上回った。企業規模別に見ると、5,000人以上の企業では同112円増の4,891円、1,000~4,999人では同443円増の4,732円、300~999人は同349円増の4,022円、100~299人では同568円増の4,131円となった。

企業規模・産業、賃金の改定の実施状況・実施時期別企業割合(出典:厚生労働省Webサイト)

賃上げの方法を見ると、年齢や勤続年数に応じて基本給を上げる「定期昇給制度」がある企業のうち、2013年中に定期昇給を行った、または行う予定の企業は、管理職で前年比2.7ポイント増の59.4%、一般職で同5.6ポイント増の70.3%だった。

定期昇給制度がある企業のうち、基本給を一律に引き上げる「ベースアップ」と区別している企業は、管理職で前年比0.4ポイント増の56.6%、一般職で同0.2ポイント増の60.2%。このうち、ベースアップを行った・行うと答えた割合は、管理職で同1.7ポイント増の11.5%、一般職で同1.8ポイント増の13.9%にとどまった。

2013年中に賃金カットを実施、または予定している企業は前年比1.7ポイント増の14.5%。対象者別に見た場合、「管理職のみ」の企業は同3.3ポイント増の27.1%、「一般職のみ」の企業は同9.8ポイント減の20.5%、「管理職一部と一般職一部」の企業は同4.6ポイント増の34.4%、「管理職全員と一般職全員」の企業は同1.6ポイント減の10.3%となった。

賃金カットの内容については、管理職では、「基本給のみ減額」の企業が、管理職の一部で21.0%(前年24.2%)、管理職の全員で16.6%(同10.2%)と最多。一般職についても、「基本給のみ減額」の企業が一般職の一部で27.4%(同32.8%)、一般職の全員で5.4%(同3.4%)と最も多かった。