カスペルスキー セキュリティ スキャン

カスペルスキーは3日、他社製の最新セキュリティソフトウェアをインストールした、250,000台のWindows PCを分析したところ、多くのPCでマルウェアの感染が検知されたと発表した。

同社では、最新のセキュリティ製品でも急速に増加するマルウェアを完全に検出することは難しく、セキュリティベンダ間で迅速に情報交換する体制を確立したいとしている。

今回の発表は、同社が2012年5月22日(日本では2013年3月14日)に配布開始した、無料ウイルスチェックツール「カスペルスキー セキュリティ スキャン」利用ユーザーから匿名で提供された検知結果データを分析したもの。同ツールでは、ウイルスやトロイの木馬、ワームなど悪意のあるプログラムを検知する。

分析データは、主に南北アメリカおよびヨーロッパ(ロシアとトルコ含む)にある、最新のセキュリティ製品がインストールされた250,000台以上のPCから提供された。ただし、完全なセキュリティを保証できない古いバージョンの製品や、「カスペルスキー セキュリティ スキャン」が脅威とみなさないマルウェアは除外している。

分析の結果、マルウェアに感染していたPCの一部は、セキュリティ製品がインストールされているにもかかわらず、完全に保護できていないことが判明したという。セキュリティ製品により検知率は異なったが、一般的にユーザーの4~5.5%に感染がみられたという。

感染率が3%以下と低い国はドイツ、オーストリア、スイス。また、10%以上となったのはロシア、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタン、トルコ、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、インド、エジプト。

同社はベンダの信用性に配慮し製品名などを明らかにしていないが、分析後、各ベンダに脅威に関する情報を提供したという。また、最新のセキュリティ製品でも常に迅速に対処できるとは限らず、各ベンダ間で脅威の未検知情報を共有する体制が整うことを希望するとした。

また、PCユーザーに対しては、信頼できるサードパーティ製のツールで、PCの定期的なスキャンを推奨している。