飲み会を上手に断れれば、人間関係も円滑に

春は職場の歓送迎会をはじめとして、何かと飲み会の多い季節。誘いを断りたい場面もあると思いますが、上司や先輩から誘われた飲み会を断るときなどは、「社内での自分の評価に影響するのでは?」と不安になってしまいます。

そこで今回は、中央話し方教室の代表講師である栗原君枝先生に、「相手を不快にさせずに、上手に誘いを断るためのポイント」を聞いてみました。

理由を添えて、ハッキリ断る

「ハッキリ断ることが苦手な人も多いようですが、あやふやな言葉はかえって相手を不快にさせてしまいます。断るときは、ハッキリ断るのが一番です。ただ、『無理です』と言うだけでは印象が悪いですから、理由もきっちり伝えた上で、断るのが良いでしょう」

――例えば、上司から飲みに誘われて、「いや、今日はちょっと……難しいと思います」といった、あやふやな返答をするのはよくないのですね。

「"今日は久しぶりに会う友人と、食事をする予定になっておりまして。残念ですが、ご一緒できません"と、理由を明確にしてハッキリ断りましょう。よほど特別なお誘いでない限り、先約を優先することに対して怒る上司はいないはずです。」

代替案を提示する

「良い断り方の一つに、代替案を提示するというものがあります。そもそも、相手の誘いを断るということは、相手の希望をくじくことです。相手を傷つけないように気遣うのはもちろん、できるだけ相手の希望に添えるよう、努力することも大切です」

――残業を頼まれたけど、どうしても断りたいときなどは、この方法が使えそうですね。

「"今日は無理です"とただ断ってしまうより、"明日なら可能なのですが"と申し出る方が、前向きな印象を与えます」

相手を気遣う言葉を使う

「誘いを断る上で、感謝や謝罪の言葉はとても重要です。『残念なのですが』、『申し訳ありませんが』、『お誘いありがとうございます』など、こういった言葉を使うように意識すると、断る際の印象がグッと良くなります」

――なるほど、なるべく感情をこめて伝えるようにします。

「また、一旦返答を保留にするというのも、印象をソフトにする良い方法です。"お誘いありがとうございます。一度予定を確認して、後ほどお返事いたします"と一旦保留にし、"予定を確認したところ、今日は習い事の日でした。実は○○教室に通っているんです。月謝を支払ってしまいましたので……。残念ですが今日の飲み会は不参加でお願いします"と返答すれば、"行きたい気持ちはある"と相手に伝えることができます」

友人には気さくな言葉で

「友人の誘いを断る場合は、あまり丁寧すぎるとかえって関係が遠のいてしまうこともあります。『ゴメンね、その日は○○があるから』と気さくな言葉で伝えた方が良いでしょう。その際にも、理由を明確に伝える、代替案の提示といった配慮をしておけば、誘いを断られた方も気持ちが良いものです」

――相手との関係性によって断り方を工夫するというのも、人間関係を良好に保つためには大切なポイントのようです。相手を不快にさせてしまう断り方で、職場での評価を下げてしまったり、上司や友人との関係が悪くなったりしては、もったいないですよね。

どうしても誘いを断りたいという場面が訪れたら、言い方の工夫や相手への気遣いを少し意識して、「上手な断り方」を実践してみてください。

(OFFICE-SANGA 森川ほしの)