2012年11月18日の日曜日、第175回 TOEIC試験を受験してきた。

2012年11月18日の日曜日、第175回 TOEIC試験を受験してきた。

どうして、TOEICを受けようかと思ったのは、このコラムのネタでもある。

連載第6回で申し込んでいた。

しかし、試験をいざ受けるとなると真剣にならざるをえない!

試験当日は、もう、とてつもなく過酷な2時間だった!

何が一番過酷かといえば、休憩なしの2時間の無音状態での試験だ。これは、いくら普段の勉強でも、音楽を聴きながら、リラックスした状況で、コーヒー片手にネットを見ながら、優雅にやっていてはダメなんだと痛感した。

試験のテストは、2時間、インターネットなし!音楽なし!トイレなし!休憩なし!の状況だ。当然、その静寂な中での集中トレーニングを積んでおくことの重要さが、今回受験をしてみて、一番よくわかった。

考えてみると、会議で2時間なんて普通にあるが、黙々と一言も喋らず、試験をこなすという2時間は体験していない。ボクの場合は2時間黙っているということは苦行に等しい。

2時間の試験は、2時間、泳いだり、2時間走り続けるのと同じで、普段から2時間を黙々と試験をこなす耐性を自分の体の中に創っておかなければならないと痛感した。

ヒアリングや試験よりも、まずはこの2時間のテストに耐えられるかどうかだった。

●受験票にしっかりと目を通そう!

4cm×3cmの証明写真が必要。テンガロンハットは許可されません(笑)。禁止行為にいろいと書いてあるのを一度は読んでおかなければならなかった…。

TOEICの試験を申し込むと、試験前の2週間ほど前に受験票が送られてくる。

ようやくあと試験まで2週間しかないと身がその瞬間だけは引き締まるが、あれよあれよという間に試験前夜となってしまう。

マークシート方式だから当然だが、鉛筆と消しゴムしか使用できない。社会人になってからは、鉛筆や消しゴムはほとんど使う必要がない。どこかにあるだろうと思ったが、結局、当日にコンビニで購入することになった…。

また、写真と身分証明書(免許や保険)も必須だ。これは、なりすましで受けて高得点を取ってくれるバイトがいたからだ(笑)

ボクの受けた教室でも約100名ほどいたが、2名ほど、本人確認で手こずっている人がいた。

●試験会場には早めに到着しよう!

場所にもよるが、会場のフロアが受験ナンバーによって別れる。混雑時はエレベーターも混むので早めの会場入りをオススメ!

試験開始は13時より。説明が12:30から開始。受付は11:30より12:30まで。

試験会場をiPhoneアプリを頼りに行ったけど、最後の最後でうまく検索できない。11:45分頃到着。

試験番号によって貸しホールの階が違う。あわてて試験番号を見直す。

飛行機などの場合は、搭乗時間ギリギリの方が待たずに乗れるので、好きだが、TOEICの場合は、早めに行って余裕を持っておくことが大事だと思った。

しかし、朝から何も食べずに15時まではきびしいので、試験会場で、シャーペンと一緒に購入してきたパンを食べていたら、怒られてしまった。食事は外で済ましておこう!

年に9回行う試験だから、当然会場は貸しホールみたいな場所だから、その会場によってレギュレーションは違ってくる。 満腹にしていくと、満腹中枢を刺激し眠たくなる。かといって空腹すぎるのもストレスが貯まる。

ボクは、常にお腹の調子があまり良くないタイプなので、受付は早めにいって、自分の座席にとりあえずの荷物を確保し、貴重品を持って、全ての用を足しておくことをオススメしたい。会場に早く到着してから、最後の最後まで勉強するのもありだ。

会場の雰囲気に慣れておくのは余裕につながるはずだ。

TOEICの受験者は20~30代の男女が多いようだ。この写真は試験終了後のビル外での光景。皆様、お疲れ様でした!

受付は12:00くらいが一番のピークとなった。

年齢層は、受験時期にもよると思うが、大学生から社会人30歳くらいまで、男女同数くらいな感じだ。日曜日なのでスーツを来ていないと、最近の社会人と大学生はまったく見分けがつかない。 おそらく、ボクが最年長なのは確定(笑)

●TOEIC試験の説明

受験票をよく読めば書いてあることばかり、いかに自分が読んでいなかったことか。問題集のメモもできないとは!当日知って驚いた。

12:30になった…時間ピッタリに始まる!

TOEICの試験でユニークだと思ったのが、解説はほとんど音声テープ(ディスク?)での解説。全国どこでも同じ条件にするからだろう。

当然、ヒアリングテストがあるので、会場のスピーカーの音質なども重要だ。会場は静寂で、音声は非常にクリアだ。

そういった意味ではTOEICの会場は、どの場所からもクリアに聞こえるという条件で選んでいるんだろう。

会場側にとってもTOEICテストに採用されているホールだとすると付加価値が増しそうだ。TOEICもそのホールをTOEIC使用会場として、認定することをすれば双方にいい関係性が生まれるのではないだろうか?

ボクが受けた場所などは、日曜日にはよく右翼の街宣車がまわっているので、その巡回がないように願った。それはそれで、TOEIC側がどんな対応をするのかが見たい気もしたがその日は静寂すぎるほど静寂だった。

試験説明で、一番、気になったのが、携帯電話の音声やバイブレーションの注意だ。 すべて一度、机の上に置きスイッチ類がオフになっていることを確認する。しかも、音声やバイブを鳴らせた受験者は、すぐにその場で退場となるそうだ。ひえ~!

これは、思わず、電子機器類がいつも鳴っているボクとしては恐怖だった。パソコンの電源も落とし、タブレット端末も落とし、もちろんiPhoneの電源も落とし、他のストップウォッチやキッチンタイマーなど、時計もアラームが制止していることを再度確認。

……それでも、まだ何か鳴りそうだ。

受験生なら当たり前のことだが、会議でも携帯のバイブくらいならば、ちょうどまとめる時間あたりで、そろそろ結論をという意味で鳴らすようにしているのが日常だから、バイブやアラートが絶対に鳴らない設定するのが意外にストレスフルだった。

それを考えても、早めの到着は実に正解だ。

二番目に気になったのが、答案用紙も回収するという…。それは、持ち帰って出題問題集作られる権利関係もあるからだろう。しかし、その注意の中に、問題用紙にメモ書きなども一切禁止ということだ。

ヒアリングの時に消去法で問題に可能性のない解答に×を入れることもできないという…。これは、やばい! 何気なく、普段のようになんでもメモるクセがあるのはこういう時に活かされない。

●名前もすべてマークシートで記入するとは!

表面はすべてマークシートで記入。名前もマークシートで記入。これに一番手こずった!老眼鏡を一番駆使した瞬間!

センター試験世代には当たり前なのかもしれないが、解答用紙の表面はすべてマークシートで記載することばかりだ。

これは説明書を読んで初めて思った。念のためにコンビニで買ったシャーペンの芯は予備に一針しかない。しかも、シャーペンのお尻についているオマケの消しゴムは消しにくい…。消しゴムはちゃんと買っておくべきだった!

すべて記載したつもりだったが、名前までTOSHIAKI KANDA を26文字の中から一文字づつ鉛筆で塗りつぶしていかなくてはならない…。どうして人間がこんな理不尽なことを何十年もやっているんだろうと思う。twitterアカウントやfacebookアカウントでもOKにしてほしいものだ。

受験番号までも、マークシートで塗りつぶす作業をする。表面をマークシートで塗りつぶすだけで、かなりの神経をすりつぶしてしまった。

●いよいよ、TOEIC試験問題が配布される!

12:46 説明会が終わった。前のホワイトボードに試験終了時刻「15:01」と書かれた。つまり、13:01から始まり15:01までぶっ通しの120分一本勝負の始まりだ。

マークシートで塗りつぶした表面から裏面に変え、すべての参考書類、時計とシャーペン1本のみを残して、受験票の半券を回収され、答案用紙が配布される。

ふくろ綴じのエロ本のようだ。

しかも、日本語はどこにもない様子だ。

スピーカーから今から試験開始ですとアナウンスされた。

一斉に、エロ本のふくろ綴じを開ける音がした(笑)

TOEIC TESTのはPart 1~Part 7 まである。リスニングはPart 1~Part4までで45分、リーディングは、Part 5~Part 7までで75分だ。

その間に休憩がない120分だったとは…。

※リスニングセクション
Part 1は、写真描写問題 10問
Part 2は、応答問題 30問
Part 3は、会話問題 30問
Part 4は、説明文問題 30問

※リーディングセクション
Part 5は、短文穴埋め問題 40問
Part 6は、長文穴埋め問題 12問
Part 7は、読解問題 48問

解説書ではよく掲載されていたが、問題のアナウンスは一回限りということ、問題にメモすら取れないということ。これは実際に試験を受けてみてはじめてわかった。

もっとウェブで調べておくべきだった!

●Part 1写真描写問題 10問

最初は白黒の写真がでているPART 1の絵解き問題。

PART 1の10問は、楽しい、これなら楽勝!と思えた。

想定外は音声の問題は一度きりしか読まれないことだった。

ポッドキャストなどの問題では、丁寧に2度読んでくれて、日本語などのレッスンもあるのだが、TOEICのテストは国際テストなので、最初の問題からすべて英語なのだ。

あっという間の10問。

これは、回答文を見るとある程度想像がついた。

よし、この調子でいくぞ!と思ったが…

●Part 2 応答問題 30問

いよいよ、応答問題だ。

ヒアリングしながら、質問文を横目で見ながら、応答文を選ぶ。ヒアリングには自信があったつもりだが、アメリカ英語とはアクセントが少し違うかも…しかもかなりスピードもある。

質問文が気になる、解答文も目に入ってくるので気になり、ヒアリングに集中できない。

最初は、なんとなく追跡できるが、いやこっちかなと迷いだすとヤバい!シャーペンのお尻の消しゴムで消し始めると、なかなか消えない……。さらに、次の問題のヒアリングが聞こえてくる。

やばい。次の質問に追いつかなくなる……。

消しゴムは必須だ!当たり前だが……。

気分を取り直して、ヒアリングの時は目をつぶって、集中!集中!集中!と唱える。それで目を開けて質問のところを指でなぞりながら、直感でマークして追いつく。

マークシートと問題番号がズレていないのかも要チェックだ。

あっという間に 30問終了。

こりゃあ、テンションが終わりまで続くかどうか不安になる。

●Part3 会話問題 30問

Part2よりも、会話なシーンのヒアリングなのでイメージしやすい。知らない単語もでてくるが…いや、知っていても発音される単語と一致していない可能性が高い。もう一度聞ければなぁと思うが、一度だけだ。こんなに人の会話に聞き耳を立てるのは生まれてはじめてだ。

それだけでもTOEICが英語力の指標となっているのがわかる。このヒアリング問題を受験テクニックで丸暗記することはできないだろう。

4つの選択肢があり、その中から選ぶ。

もう、この時点で集中力が途絶えてきている。

●Part 4 説明文問題 30問

リスニングセクションの45分はまさに地獄の集中力だ。

最後のパートだと思えば、ちょっと安堵の気持ちが……。いやいや、気は全く抜けない。

このペースでは、ほとんど考えている暇はない。

リスニングセクションで感じた事は、すべてテストは天の声に集中することだ。視点は解答用紙なのか、会場のスピーカーなのか、マークシートなのか、色々と想像する。会場を見渡せないが、目の前にいる人たちは黙々と机に視点を落としている。

スピーカーを見つめているのはボクだけのようだ。人の話を聞く時に、その方向へ見ていない練習も今後は必要だ。

●Part 5 短文穴埋め問題 40問

さぁ!いよいよリーディングセクションの開始だ。

まったく休憩が入らないのがここまで大変だったとは。ここからはヒアリングと違って自分のタイミングで進行できるので、少し安心したい気分だ。

しかし、リーディングだけでも、100問ある。最初にざっと試験の物量を確かめてみる。

後半のPart 7はeメールのお返事やら招待状やらの、イラストつきでどうやら楽しそうだ。

まずは、Part 5の穴埋め問題。

ここは文法力が多いにチェックされる。

参考にしたのは、

小石裕子さんの「新TOEICテスト中学英文法で600点!」

と、

福田一さんの「中学3年間の英語を10時間で復習する本」

もっとしっかり読み込んでおけばなぁ…と後悔先にたたず、文章を読み直し、消去法で考えていくがあまりにも単調でありながらも、頭が回らないので、最後に攻略するとして、次のPart 6へ。リーディングは75分間を自分で好きなように使い方をデザインできるし!

●Part 6 長文穴埋め問題 12問

このPartは、先程のPart 5の一発問題と違って、全体の文脈から判断することができるPartだ。しかし、読解するのには時間がかかる。

長文とわからない単語との間に、色々と穴が埋まっている。なんとなくの直感で判断しながら問題を勧めていった。Part 5の文法よりも、全体で何が語られているのかが理解できることが重要だ。

●Part 7は、読解問題 48問

いよいよ、最後のPart 7の読解問題。海外とのやり取りでは、一番よくやり取りをする事例だ。ウェブのマーケティングの話から、レセプションのパーティーのお誘いの文章案についてのやり取りに至るまで。

ただ、問題はここでは、辞書もないし、Google翻訳で翻訳させることもできない(笑)

一問真剣に説いていたら10分近くもかかってしまった。これはまずい。ここのPartは、さらに集中力が必要だ。

そう考えると、ここのPartは捨て、一問あたりの消費時間の少ないPart 5に戻り、Part 6 、そしてPart 7は、もう2列分ほど全部「B」を選択した。

4択ということは、25%の確率で当たるということだ。とにかく時間がなくてもマークシートは埋めた。

あっという間に時間は終了。

「ペンをおいてください!」と試験官のはじめての指示がここで出た。

●TOEICは受験してからが勝負だと思った!

TOEICの高得点者は必ず、複数回 TOEICテストを受けている理由が分かった。自分の得点よりも、まずはこの時間とこのテストの仕組みを知ることのほうが重要だ。

まずは、この雰囲気に慣れることが必要だ。運転免許の試験と一緒で、教習所(TOEIC専門の学校)に通っていない人は、まずは、最初は試験会場の仕組みを理解するべきだ。

ボクにとっては、まず、ネットもコーヒーも音楽もないところでテスト勉強することが重要だし、基本の文法力がまったくダメな事がものすごく理解できた。もちろん、単語力もだ。

特にPart 7は日常業務でもあるので、時間内に処理できる能力をもっと上げる必要があると自己分析し、スコアが出る前に痛感することができた。

さっそく、来年のTOEICテストも受けようと思う。年4回受ければ、英語のモチベーションも下がらないはずだ。むしろ、この2時間、無言で戦い続けるという、学生時代の勉強意欲を経験できたことの法が重要だ。

すべての邪念をふるいはり、自分のスコアに望む。なんだか、アスリートの気分になれた。

早速だが、来年の2013年1月13日(日)の第177回の試験(東京)を受けることを決定!

料金は、5,565円(うち消費税等265円)リピーターは、4,950円。

クリスマスの忘年会を、ひとつ参加しない料金負担だけで、自分の中のファイターな部分が目を醒ましたことを実感できる。

受験勉強だけでなく、英語に対するモチベーションが確実にアップした2時間だった。

しかし、こんなに、頭を使ったのは本当に何年ぶりだろう……。

TOEIC公開テストは年9回、全国80都市で開催されている。

人にTOEICのスコアを言う前には最低でも2回受験しておく必要があると感じた。

ということでまた来週!

文/Paul toshiaki kanda 神田敏晶

神田敏晶
KandaNewsNettwork,Inc. 代表取締役
ビデオジャーナリスト / ソーシャルメディアコンサルタント

神戸市生まれ。ワインの企画・調査・販売などのマーケティング業を経て、コンピューター雑誌の編集とDTP普及に携わる。その後、 マルチメディアコンテンツの企画制作・販売を経て、1995年よりビデオストリーミングによる個人放送局「KandaNewsNetwork」を運営開始。ビデオカメラ一台で、世界のIT企業や展示会取材に東奔西走中。

1999年に米国シリコンバレーに進出、SNSをテーマにしたBAR YouTubeをテーマにした飲食事業を手がけ、2007年参議院議員選挙東京選挙区無所属で出馬を経験。早稲田大学大学院、関西大学総合情報学部で非常勤講師を兼任後、ソーシャルメディア全般の事業計画立案、コンサルティング、教育、講演、執筆、政治、ライブストリーム、活動などをおこなう。