安藤裕子、木村太郎がキャスターを務めるフジテレビ系列の報道番組『スーパーニュース』の特集企画「THE公開捜査」がきっかけとなり、2つの事件の容疑者が相次いで逮捕されたことが16日、明らかになった。

報道番組『スーパーニュース』の特集企画「THE公開捜査」

「THE公開捜査」は、都内で発生した未解決事件について、警視庁から提供を受けた未公開の防犯カメラの映像や捜査で得られた証拠と証言をもとに、事件の真相を究明するというもの。当日のスタジオでは、事件担当の捜査員が情報の提供を呼びかけるとともに、取材班が特設の電話やメールにて情報を受け付け、有力情報に迅速に対応している。

今回、容疑者逮捕につながったのが2つの事件。1つは7月9日放送の「綾瀬・タクシー強盗事件」で、警視庁が事件発生から1カ月後の7月に番組での公開捜査を踏み切ったところ、視聴者から多くの情報が寄せられた。警視庁はこれらの情報をもとに10下旬、18歳の少年を逮捕。「知っている人に似ている」という視聴者からの情報には、髪型などの身体的特徴のほか、具体的な氏名なども含まれており、それらの情報から少年の犯行に間違いないと確信を得た警視庁は少年宅へ。事情を聞いたところ、少年は素直に犯行を認めた。

もう1つは11月12日放送の「7都県・連続詐欺&恐喝事件」。2007年から2010年にかけて起きた事件で、東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、栃木、静岡で合計16件もの犯行が行われた。その手口は路上やパチンコ店などで声をかけ、現金をだまし取るというもので被害総額は16件で約380万円にものぼった。こちらも放送後、多数の情報が寄せられ、田中実容疑者が勤める都内・建設会社の同僚が「テレビをつけたらあいつじゃないか! 間違いない」と警察に通報。放送からわずか3日後のスピード逮捕となった。

その他にも2011年10月25日放送の特集企画・スーパー特報「卑劣商法を徹底追跡 疑惑の"開運グッズ"」で追求した業者が、11月15日付けで消費者庁から業務停止命令を受けた。「除霊しないと大変なことになる」と不安がらせて祈祷をしつこく勧誘したことなどが特定商取引違反(威迫・困惑など)にあたるとして、電話による勧誘販売を6カ月、通信販売で3カ月の業務停止が命じられた。震災後に急増した消費者心理の不安につけこむ悪質な「霊感商法」で、被害者の切実な声を取り上げたことがきっかけで行政が動いた。