国際衛生機構「グローバル・ハイジーン・カウンシル」(Global Hygiene Council 、以下GHC)は、「食中毒に関するニュースレター」を発行した。

「食中毒の家庭での予防法」についてレポートするGHCのニュースレター

梅雨から夏の高温多湿の時期には、食中毒の被害が多数報告され、大きなニュースとなる。梅雨~夏季には、細菌性食中毒は通常の2.5倍以上にもなり、2011年にも、6月から9月までに436件もの被害が報告されている。食中毒を予防するには、家庭や個人での努力が何よりも大切であるという。

同機構のニュースレター第1弾となる今回は、「食中毒の家庭での予防法」について、GHCのメンバーでもある東北大学の賀来満夫教授にインタビューを行っている。

食中毒予防の三原則は、「付けない」「増やさない」「やっつける」

賀来教授によれば、食中毒の予防は、何よりもその原因となる細菌やウイルスを体の中に入れないことが第一だという。そのためには、まずは食品に細菌・ウイルスを「付けない」こと。ただし、あらゆるところに微生物は存在しており、ある程度付いてしまうことは仕方のないことであり、そのため、細菌やウイルスが付いてしまった場合には、それを「増やさない」ことが重要となる。そして「増やさない」こと以上に重要なのが、口に入るまでに微生物を「やっつける」ことだという。

同教授は、「付けない」「増やさない」「やっつける」のそれぞれの心得として、以下を推奨している。

■「付けない」心得
①「手洗い」はもっとも重要な食中毒予防。帰宅後、食事前、調理前の手洗いは徹底的に。
②タオルやエプロン、調理用具、食器は清潔なものを使う。
③肉・魚はそれぞれきちんと包んで冷蔵・冷凍保存を。

■「増やさない」心得
①ゴミはこまめに捨てる。
②消費期限を守り、時間がたって怪しい場合には、思い切って捨てる。
③残った食品を保存する場合は、早く冷えるように小分けに。解凍は冷凍庫で行う。

■「やっつける」心得
①調理時の加熱は十分に。目安は、中心部分の温度が75℃以上で1分間以上。
②生肉・魚を切った包丁・まな板は洗って熱湯をかけ、除菌を。
③温め直す時は十文に加熱を。電子レンジでの加熱は均一に。

GHCは、正しい衛生管理を通して、世界中の人々を病原菌やウイルスへの感染を防ぐことを目的に、2006年に設立された、微生物学、ウイルス学、感染症、免疫学、公衆衛生を含む衛生学に関連する分野で働く世界的リーダーが集まった専門集団。日本においても、2011年より準備を開始し、2013年から健康のための衛生管理の啓発活動を積極的に開始するという。

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