Mac OS Xを見ればわかるように、以前までは内部的名称にとどまった開発コード名が、そのまま製品名になってしまう例も最近では見受けられる。OS XはLeopardやLionという名称から猫族の動物名から開発コード名を付けていることがわかるが、モバイル端末向けのiOSではどういう開発コード名が付けられているのだろうか?

この件については、iOSデベロッパーの1人のSteven Troughton-Smith氏のTwitterでの書き込みをひいて、Tuawが紹介している。そこで挙げられているAlpine、Little Bear、Big Bear、Kirkwood、Wildcat、Jasper……という名称、勘のいい方なら気付いたかもしれないが、いずれも北米のスキーリゾートの名称だ。Alpineはカリフォルニアのタホ湖、Little BearとBig Bearはコロラド州デンバー、Wildcatはニューハンプシャー、Jasperはカナディアンロッキーといった具合。個々のバージョンとの対応はGeekosystemの記事などを参照するといいだろう。こうした開発コード名は部門のトップやチームメンバーの趣味が反映されることが多いのだが、ウィンタースポーツはiOS担当責任者のScott Forstall氏の趣味なのだろうか。

ちなみにIntelでは開発コード名に地名が採用されることが多い。以前までプロセッサ名にはオレゴン州にある地名がよく使われていたが、これは同社開発チームの所在地である同州ヒルズボロ周辺の地名を採っていたもの。またモバイルチップセットについてはワイナリーで有名な地名が採用されていた。NVIDIAについては、Tegraチップにアメリカンヒーロー名(例えば「Kal-El」はスーパーマンの本名)がついていることが知られている。

このほか、Appleはハードウェア製品の開発コード名に「Kxx」「Nxx」といったアルファベット1文字に数字2桁を組み合わせた名称を内部的に用いていることが知られているが、筆者はこれとは別にiPadに日本に馴染みのあるキーワードが付与された開発コード名を聞いたことがる。その意図や背景を探ってみると面白いかもしれない。

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