米Appleが"ウェアラブル・コンピュータ"のプロフェッショナルを「Senior Prototype Engineer」の役職で迎えたことが話題になっている。米Computerworldが15日(現地時間)に報じている。
今回話題になっているのはRichard DeVaulという人物で、米マサチューセッツ工科大学(MIT)出身の工学博士(Ph.D)だ。同氏のページによれば、信号処理とリアルタイム状態把握技術のプロフェッショナルで、米AWare Technologiesの創業者であり、CTO兼プレジデントを務めていた。AWareはセンサー技術を駆使した研究プロジェクトを米軍やスポーツ組織などと推進しており、この一環としてiPhone/iPod touch用のフィットネスアプリ「StepTrakLite」などもリリースしている。
だがComputerworldによれば、この同氏のLinkedInのステータスが先月ごろに「Founder & President at AWare Technologies」から「Senior Prototype Scientist at Apple Inc.」に変わったことを確認し、Appleへの参画が判明した。
DeVaul氏はMIT時代からセンサー技術を駆使したさまざまなプロトタイプ開発に取り組んでおり、中でも本人自身がプロフィールページの中で興味を抱いているとしているのが、「The Memory Glasses」というプロジェクトだ。目前に小さなディスプレイを配置することで、必要な情報を適時表示してその記憶や判断を助けるという補助デバイスだ。詳細レポートはUSA Todayの記事で確認できる。これ以外にも同氏はさまざまなウェアラブルなコンピュータデバイスの開発に取り組んでおり、その成果の一部は前述の同氏の個人サイトに記されている。
Computerworldによれば、Appleはウェアラブル・コンピュータに関する特許をいくつか申請しており、DeVaul氏のApple参加はこの成果の製品化に向けた一歩になるかもしれない。