俳優の水谷豊が29日、都内で行われた主演映画『幸福』(市川崑監督、1981年)の「Blu-ray/DVDハイブリッド版」発売記念試写会の舞台挨拶に登場した。
映画公開から28年の年月を経て待望のソフト化が実現し、「こんなに嬉しい日が来るとは夢にも思っていなかった。『幸福』には口に出せない何かがあった。晴れて僕の20代最後の作品は市川崑監督の『幸福』でしたと言えるのがすごく嬉しい」と感激で言葉を詰まらせた。
水谷が幼い子供を抱えた刑事役に挑戦し、ドラマ『相棒』の原点といえる本作。これまでソフト化や再上映もなく幻の傑作と呼ばれ、市川ファンの間で非常に人気が高いという。サスペンスと人間ドラマを描き、今年、全国映画館スタッフが選ぶ「第1回映画館大賞・甦る名画部門」では第1位に輝いた。小学校6年生当時、論争を巻き起こした市川監督の『東京オリンピック』(1965年)に衝撃を受けたという水谷にとっても、特別な作品だ。
水谷は、市川監督と撮影に初めて入ったときのエピソードとして、市川監督から"水谷くん"と呼ばれたと明かし、いつの間にかそれが"豊ちゃん"から"豊さん"になり、最後には"みぃ谷ちゃん"の愛称になったと、当時の仲を思わせる二人のやり取りを披露。市川監督を「大好きでした」と語る水谷は、「監督と二人で食事したときに、『みぃ谷ちゃんには色気のある俳優になって欲しい』と言われた。何が色気なのか分からないと言うと、『(幸福の)映画の中の、あのシーンが色気なんだよ』って。それからは、ほんとに今もことあるごとにそのシーンがふっとイメージに出てくるんです」と懐かしんだ。
また、舞台挨拶には、一般応募して試写会に駆けつけた息子・勉役の黒田留以さんがサプライズで客席から姿を現し、突然の28年ぶりの再会に「え~!?どうしましょ…」と驚き戸惑う水谷。子役から社会人になりスーツ姿の黒田さんだが、「顔は勉くんだ。面影だらけ」と父親らしいコメントで、会場に喜び勇んで来たという黒田さんと照れながらも真っ直ぐに見つめ合っていた。
『幸福』Blu-ray/DVDハイブリッド版(販売元:ポニーキャニオン)は、11月4日発売。
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