Booksベストセラー週間総合ランキング2月15日~21日では、ベストテンのうち9タイトルまでが前週に引き続いてのランク入りだが、唯一「乳と卵」(川上未映子)が初登場で8位にランクインした。

2月15日~2月21日のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)

順位 書籍名(出版社) 著者
1位 女性の品格(PHP研究所) 坂東眞理子
2位 親の品格(PHP研究所) 坂東眞理子
3位 夢をかなえるゾウ(飛鳥新社) 水野敬也
4位 ヘキサゴンドリル(扶桑社)
5位 脳を活かす勉強法(PHP研究所) 茂木健一郎
6位 陰日向に咲く(幻冬社) 劇団ひとり
7位 ホームレス中学生(ワニブックス) 田村 裕
8位 乳と卵(文藝春秋) 川上未映子
9位 L change the WorLd(集英社) M
10位 余命1ケ月の花嫁(マガジンハウス) TBS「イブニング・ファイブ」

同著は歌手としても活動する大阪生まれの著者の芥川賞受賞作品。どこまでも続く長い文体が特徴だが、関西弁の台詞が頭の中で再生されると途端にテンポがよく感じられ、読者は足早に駆けていく物語の中に引き込まれる。物語は「わたし」と姉親子の3人で進んでいくが、特に取り立てて何かが起こるわけではない。しかしながら読後には「乳と卵」という一見不可思議なタイトルに込められた深い意味がスッと心の中に入ってくるはずだ。

単行本ノンフィクション部門には「KY式日本語」(北原保雄)が初登場で10位にランク入りした。同著は今やおじさんたちの間でもやたらに使われる「KY(空気読めない)」をはじめとして若者の間やネット上に広まる"ローマ字略語"を取り上げてその成り立ちや使い方を紹介するものだ。

今週の注目

やっては、いけない!(平成暮らしの研究会/河出書房新社/476円(税別)

友人と街を歩いていたら、宗教の勧誘に呼び止められた。自分は関心がないので断ろうとしたが、友人は勧誘につかまって話を聞かされている。あるいは、自宅に宗教の勧誘がやって来た。家族の誰かが玄関口に出たもののなかなか戻ってこない。

こんな時「友人や家族が変な宗教にだまされては大変」と思い、横から「宗教なんか相手にするのやめなよ」と言いたくなるかもしれない。現にそうしている人も少なくないはず。ところが、これは法律上はやってはいけない。刑法に定める「説教妨害罪」にあたり、1年以下の懲役もしくは禁固または10万円以下の罰金に処せられる可能性がある。

といった感じで、日常生活に潜む数々の誤解や誤りを指摘していくのがこの本。昔からの習慣や普段何気なく行動していることにも実は落とし穴がたくさんあることを教えてくれる。「やっては、いけない!」程度は、やめたほうが無難というものから命にかかわるものまで様々。「読んでいなかったら知らずにやっていたかも・・・」ということが誰でも必ず幾つかはこの本から見つかるはず。なぜ「やっては、いけない!」のか、やってしまうとどうなるのかが的確に説明されているため、お役立ち度満点。