Booksベストセラー週間総合ランキング2月1日~7日では、新登場で3タイトルがトップテン入り。いずれも続き物であるのが特徴だ。

2/1~2/7のBooksベストセラー週間総合ランキング(日販調べ)

順位 書籍名(出版社) 著者
1位 家庭教師ヒットマンREBORN!隠し弾(1・2)(集英社) 天野 明/子安秀明
2位 女性の品格(PHP研究所) 坂東眞理子
3位 親の品格(PHP研究所) 坂東眞理子
4位 ホームレス中学生(ワニブックス) 田村 裕
5位 陰日向に咲く(幻冬社) 劇団ひとり
6位 うちの3姉妹(6)(主婦の友社) 松本ぷりっつ
7位 新・御宿かわせみ(文藝春秋) 平岩弓枝
8位 ヘキサゴンドリル(扶桑社)
9位 余命1ケ月の花嫁(マガジンハウス) TBS「イブニング・ファイブ」
10位 夢をかなえるゾウ(飛鳥新社) 水野敬也

新登場1位にランクインしたのは、「家庭教師ヒットマンREBORN!隠し弾」(天野 明/子安秀明)。週刊少年ジャンプ連載中でテレビアニメも放送中の少年コミックのスピンオフ小説で、原作では描かれていない人気キャラクターの知られざるエピソードを小説化したものだ。

「うちの3姉妹(6)」(松本ぷりっつ)は、人気育児ブログの書籍化第6弾。のびのびと育ちすぎている3姉妹の日常をかわいらしい絵とコメントでつづっている。思わず「くくっ」と笑ってしまうような小さな事件が毎日のように起こり、ついつい一気に読んでしまう。

「新・御宿かわせみ」(平岩弓枝)は人気時代小説の続編。時代は江戸から明治に移り、登場人物も幕末から明治維新にかけての動乱の影響を否応なしに受ける。時代の変化で変わるものと変わらないものとを対照的に描き出し、相変わらず安心感を持って読める良質の時代小説となっている。

今週の注目

「萌えよ!陸自学校」(イカロス出版/田村尚也/野上武志/税別1,619円)

ミリタリーオタクに熱狂的に支持されるか平和団体に蛇蝎のごとく嫌われるかという両極端な反応を受け続ける日本国自衛隊。その他の大多数の人にとっては普段特に関心を持つことのない存在でしかないというのも事実ではないだろうか。

特定の思想や偏見によってしか語られることの少ない自衛隊について、真正面からごくごくまっとうに事実を著したのがこの本。装備・階級と職種・組織と編成・運用・歴史という5つの項目ごとに非常に詳細かつ初心者にでもわかるように陸上自衛隊の置かれた状況を説明してくれる。

自衛隊にとっての大きな転換点が阪神・淡路大震災だったという記述はズシリと重く読者に響く。自己完結能力が被災者に高く評価され、震災後の防衛大学校入学者出身地は兵庫県が最も多いのだという。

表紙カバーはお色気要素を前面に打ち出しているが、内容は至極まじめ。時折差し挟まれるお笑い要素が読者を飽きさせない。

「自衛隊のオーナーは税金をはらってる私達ひとりひとり」という一文が自衛隊のあり方についてすべての国民に問いかける。マニアでない人にこそ読んでもらいたい一冊。