電気料金の高騰が社会問題化している昨今。「電力をもっと有効活用できればいいのに……」と考える人は少なくないでしょう。

そんな人たちに向けて、家電メーカーのシャープは、AIによる電力コントロールサービス「COCORO ENERGY(ココロ エナジー) 」を提供しています。

家庭内の使用エネルギーを管理・節約するためのシステム「HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)」として、太陽光発電システムによって生み出した電力をAIで制御。自家消費したり蓄電池に貯めたりしながら、無駄なく有効活用できるサービスです。2020年には「新エネ大賞」を受賞し、大きな注目を集めています。

  • COCORO ENERGYロゴ

今回は、環境や家計へのやさしさを考えた「COCORO ENERGY」について、お話をうかがいました。

AIによって無駄のない電力の有効活用を実現!シャープの新サービス「COCORO ENERGY」とは

取材を受けてくださったのは、シャープエネルギーソリューション株式会社のエネルギーマネジメント事業統轄部に所属する倉本茂幸さんと大倉直さんです。

  • 取材対象者プロフィール

1999年に入社した倉本さんは、テレビ用の電子回路部品の設計開発を担当した後、2010年にスマートハウスの事業開発部門に異動。2015年からは、「HEMS」の商品企画業務に携わっています。

  • クラウド連携エネルギーコントローラ「JH-RVB1」

    クラウド連携エネルギーコントローラ「JH-RVB1」。蓄電池連携などのHEMS機能を使うことができる。

一方の大倉さんは、2010年の入社以来、一貫して「HEMS」の開発に従事してきました。

  • クラウド連携エネルギーコントローラ「JH-RVA1」

    クラウド連携エネルギーコントローラ「JH-RVA1」。蓄電池連携などのHEMS機能を使うことができる。

企画の倉本さんと開発の大倉さんがタッグを組んで手がけるのが、AIによる電力コントロールが特長のクラウドHEMSサービス「COCORO ENERGY」です。家庭内のエネルギー使用量を「見える化」し、家電・住設機器を制御してエネルギーを管理・節約する「HEMS」ですが、このサービスの最大の特長は「AIによって無駄のない電力の有効活用を実現していること」です。

AIが過去の太陽光発電の実績と毎日の生活パターンを学習し、翌日に必要な電力を先回りして予測。クラウド上から得た天候情報を考慮に入れ、蓄電池の充電量を自動で調整します。太陽光発電システムで自家発電した電力を自家消費に充て、余った分を蓄電池に貯めるため、電力が無駄になりません。

  • COCORO ENERGYの仕組み図

    AI(COCORO ENERGY)が、収集した情報をもとに電力量を調整。

  • ライフステージ別に変化する電気代のイメージ図

    それぞれの生活スタイルに合わせて自動で電力を調整することが可能。

太陽光で自家発電した電力を、賢く使って賢く貯める。できるだけ電力会社から電気を買わずに済むのが「COCORO ENERGY」をご利用いただくメリットです。


  • 倉本さん

「COCORO ENERGY」を利用すれば、発電した分を自家消費する割合が20%もアップするケースもあるのだとか。最近は電力の売電価格が以前と比べて下がっているため、売るより自家消費に回したほうが結果的にお得なのだそうです。

「月の初めにスマホに通知される『太陽光発電活用状況』をご覧いただければ、発電した電力が有効活用されているのを実感していただけると思います」と、倉本さんは力を込めます。

  • 電力使用状況をスマホで確認している様子

    「電力みえる化」で、スマートフォンから電力使用状況を簡単に確認することが可能。

また、蓄電池との連携機能が充実しているのも「COCORO ENERGY」の特長です。

  • 住宅用蓄電池システム

    住宅用蓄電池システム。太陽光発電と連携して、昼間につくった電気をためて、夜に電気を使うことができる。

気象警報や雷注意報が発令されたり、震度4以上の地震が起きたりすると、「COCORO ENERGY」がそれらを検知して蓄電池の自動充電を開始。万が一の停電時にも電気を使えるように備えます。

  • 警報情報が発令された際の稼働イメージ図

日常的な余剰電力活用機能に加え、雷注意報の発令と連携して停電に備える機能も合わせ持つのは、気象予報により蓄電池を制御するクラウドサービスの中でも「COCORO ENERGY」ならではといえます。

他にも「見守りサービス」を搭載し、太陽光発電や蓄電池システムなどを常に見守り、安定稼働を保ちます。もしも異常が見つかれば、速やかに通知します。


このように経済性と安心を両立させていることが高く評価され、2020年の「新エネ大賞」受賞につながったのです。

シャープが培ってきたソーラーとAIが融合し、“ちょうどいい”バランスで電力を細かく制御!

「COCORO ENERGY」の開発は、2011年に起きた東日本大震災がきっかけでした。

節電意識の高まりで、家庭の電力使用量の見える化と節電支援が求められていたことから、2012年に専用のタブレットと家電製品の電力計測機器がセットになったシステムを発売しました。

2014年にはスマホで操作できるまでに進化し、クラウド上の天候情報や気象警報と連動して蓄電池を制御できるように。そして2019年、AI予測制御機能を搭載し、現在の「COCORO ENERGY」に至ります。


ただ、AIで翌日に必要な電力を先回りして予測するのは容易ではありませんでした。大倉さんが開発の苦労を明かします。

ご家庭により電気の使われ方は異なります。「翌日の天気から発電量を予測し、深夜の充電量を大まかに調整する」ということはすでにできていましたが、それぞれのご家庭に合わせた“ちょうどいい” 制御をするのはとても難しかったです。


  • 大倉さん

足りずに電気を買ってしまったり、余り過ぎて売ってしまったり。これらの無駄を防ぎ、“ちょうどいい”バランスで電力を細かく制御するのは困難を極めたそうです。この窮地を救ってくれたのが社内のAI技術部門でした。

ソーラーのノウハウとAIの技術を組み合わせて試行錯誤を重ねたことで、翌日の発電量を予測することができるようになりました。

予測した発電量と毎日の消費量から蓄電池の充放電の変動を逆算し、前日の夜のうちにどの程度の蓄電池残量があれば良いかを導き出し、制御することができたのです。


さまざまな商品・サービスを開発し、あらゆる領域に専門技術者がいるシャープの強みは、部門横断で技術協力して独自の解決策を生み出せること。「気軽にコミュニケーションを取りやすい環境なので、開発の助けになっています」と、大倉さんは目を細めました。

「COCORO ENERGY」が家庭にあるのが当たり前の世の中にしたい。日本が抱えるエネルギー問題解決の一助に

シャープは、実に87万件以上もの住宅用太陽光発電を導入してきました。太陽光発電に注力し始めたのは、創業者の早川徳次氏が残した言葉に端を発しています。

『無限にある太陽の光で電気を起こすことを工夫すれば、人類にどれだけ寄与するか、はかりしれない』

  • 創業者の早川徳次氏

太陽の光で生み出した電力を有効活用する「COCORO ENERGY」は、まさに早川氏の言葉を体現したものといえるかもしれません。さらなる進化を目指して、お二人は意欲的に語ります。

難しい制御は「COCORO ENERGY」にお任せください。家の中では目立たない存在だと思いますが、縁の下の力持ちであり続けられれば嬉しいです。

これからもお客さまの手を煩わせることなく、最適な電力制御サービスを提供していきます。


電気の使用状況をチェックするのを毎日の習慣にしていただけるよう、よりユーザビリティを向上させていきます。

将来的には、太陽光発電と蓄電池、それから「COCORO ENERGY」が家庭にあるのが当たり前の世の中にしていきたいです。


電力がひっ迫傾向にある今、家庭で自家発電した電力を有効活用できる「COCORO ENERGY」は、日本が抱えるエネルギー問題解決の一助となってくれそうです。

  • 倉本さんと大倉さん

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2023年にシャープは111周年を迎えます。

  • 111周年ロゴ

[PR]提供:SHARP