子どもを持つ親にとって、子どもへの教育はとても悩ましい問題だ。とくに、小学生から中学生にかけては、年齢が低かったときとは違う新たな悩みが浮上してくる。そのひとつとして挙げられるのが、スマホやゲーム機などのデジタル機器の使用についてだ。子どもとの向き合わせ方について、悩んでいる家庭も多いだろう。そこで、実際に小学生のお子さんを持つお母さんに、子どもを取り巻くデジタル環境の実態や悩み事、対応の仕方についてお話を伺ってみた。

~今回インタビューした、Aさん~
小学5年生の男の子を育てるお母さん。出産後すぐに復職し以降、仕事と子育てを両立するワーキングマザーでもある。ワークライフバランスと、子どもも大人も「よく学べ(働け)、よく遊べ」がモットーだという

子どもが大きくなると子育てにも変化が

―― 本日はよろしくお願いします。それではまず、お子さんの日ごろの生活パターンについて教えてください。

はい。平日はもちろん学校がありますが、帰宅後はお稽古事などがある日はそれに子ども自身で通い、何もない日はお友達と遊んだりしています。あと、宿題については、私が仕事で不在にしている間になるべく終えておくように伝えています。小学校2年生の途中までは学童保育へ通わせてましたが、今は子どもにカギを持たせているので、帰宅後の行動は基本的には本人に任せている感じですね。

―― お子さんが成長するにつれて、子育てに変化はありましたか?

息子の場合、低学年の頃より3、4年生の中学年あたりからのほうが大変でした。低学年のうちは親の目も届きやすくて、いうことも比較的聞いてくれるので良かったのですが……、3年生あたりから学校側から要求されることや子ども自身でやらなければならないことが増えてきて、親としても子育てのハードルが一気に上がった感じがします。

もちろん、子ども自身は身の周りのことなど、自分でできることも増えてラクになる部分もありますが、それに比例して親が管理しきれない部分が増えてくるので。自我も芽生えますし、周りのお友達との関わりも深くなります。ご家庭それぞれに教育方針も違いますので、ある程度周囲と歩調を合わせつつも、家庭の方針と両立させるのはなかなか簡単ではないですね。

―― 今まで自分の家庭だけで完結していたのが、他のご家庭との関わりも増えてくるんですね。そうなると、他の子から影響されたりとかするのでしょうか?

そうですね……。小学校高学年でも周りにスマートフォンを持っているお友達もいます。でも息子にはまだ必要のない機能も多いと思うので、親や緊急の連絡ができるように子供向けケータイを持たせています。また、今のケータイでも紛失や破損が多く、管理ができない部分があるので、スマートフォンなどの高価なものを持たせることを躊躇しています。

ただ、上の兄弟がいる同級生のお母さんたちからも、中高生だとスマホが大事なコミュニケーションツールだという話も聞くので、もう少し大きくなったら検討しようと思っています。

―― なるほど。それだとお子さんはまだインターネットに繋がるようなスマホやタブレット、ゲームなど使用されていないですかね?

いえ。子ども専用には与えていませんが、家族で共有しているWindowsのデスクトップPCとiPad miniが1台ずつと、Wii、3DS、Xboxのゲーム機もあります。

タブレットやパソコンは学校の授業でも使用しているようなので、家庭では特に何も教えていないのですが、インターネット検索なども割と使いこなしていますね。あと、ゲーム機はそれぞれ無線LANにつながっていて、ネットワーク対戦などで遊んでいます。

―― タブレットやパソコンが、学校の授業で使われているんですね。お子さんの使用目的は主にインターネットですか?

そうですね、ほとんど検索か動画投稿サイトしか見ていないです(笑)。パソコンスキルなどは将来的に必要なスキルだと思うので、割と自由に使わせていますが……何かトラブルがあった際の対処が自分ではできないので、親としてはちょっと心配ですね。

―― やっぱり、お子さんがそういったスマホやゲームなどでインターネットを利用することに対して不安ですか?

そうですね。中毒性があるのでハマってしまうと、止められなくなるというのが私的には一番の問題だと感じています。そればかりに時間を割いてしまって、今の年齢でやっておいたほうがよいこと(勉強など)をやる機会が奪われてしまうのがもったいないですよね。

ただ、インターネットの利用自体は、子ども大人は関係なく、いまや避けられないものだとも思っています。ゲームも含めて子どもたちにとってはお友達とのコミュニケーションツールでもあるので……。その存在自体は、否定できないところもあります。