カシオ計算機が2015年9月に発表した電子ピアノ「CELVIANO(セルヴィアーノ) Grand Hybrid」シリーズ。160年以上の歴史をもつドイツの世界的なピアノメーカー、C.ベヒシュタイン社と共同で音色を開発するなど、電子ピアノの常識を打ち破る画期的な製品となっている。グランドピアノさながらの「音色」と「タッチ」を追求したCELVIANO Grand Hybridだが、ピアノを専攻している現役の音大生に弾いてもらったら、どのような感想を抱くだろうか? なお、後半では、開発者インタビューもお伝えしていく。

左から、カシオ計算機の新野立子氏、現役音大生(ピアノ専攻)の高橋さん、カシオ計算機の阪下彰氏、伊藤直明氏

グランドピアノの音色とタッチにこだわった、カシオのCELVIANO Grand Hybridシリーズ。感覚の研ぎ澄まされた音大生の耳と指先には、どう響くだろうか

ピアノ浸け音大生の感想は?

CELVIANO Grand Hybridを体験してもらったのは、東京都内に在住する現役音大生でピアノを専攻する高橋さん。音楽大学の学生向けに提供されている防音マンションに住み、寝ても覚めてもピアノを練習しているという。

【左】「家庭に置けるグランドピアノ」のコンセプト通り、サイズはコンパクト。【右】協力してもらったピアノ専攻の高橋さん。いつもグランドピアノに接することができるため、電子ピアノをきちんと弾く機会はまずないと話していた

文字通りピアノ浸けの毎日を送っている彼女だが、常日頃からグランドピアノに接しているためか、これまで電子ピアノを弾く機会はほとんどなかった。彼女によれば、頭に浮かぶ「電子ピアノ」のイメージは、10年以上も前から変わっていないそうだ。

そこで、予備知識のない状態でCELVIANO Grand Hybridの上位モデル「GP-500BP」を弾いてもらった。彼女が譜面台に置いた楽譜は、ショパンの「幻想即興曲」。演奏者に高度な技術が要求される、テンポの速い難曲だ。細かい音符が続くため、ピアノには鍵盤の追従性が求められる。

予備知識のない状態で「CELVIANO Grand Hybrid GP-500BP」を弾いてもらった

演奏前、「電子ピアノはタッチが硬くて重い印象があります」と話していた彼女だったが、演奏後の感想は果たして……。