カメラはコミュニケーションツール

カメラは見た目も大切、と小宮山氏は言う。EX-M2はその視点でも好きなカメラだったと語る。

小宮山氏「DJやデザイナーの友達も、当時はみんなこれを持ってましたよ。それだけデザインの完成度が高いってことですよね。あと、僕がカメラの見た目を重視するというのは、もうひとつ理由があるんです。それは、『カメラはコミュニケーションツール』だということ。

この年になるとね、たとえば仕事でご一緒した女性タレントさんなんかと写真を撮りたいなぁと思っても『一緒に撮りませんか?』って言えないわけですよ。だけど、EX-M2みたいな目を引くカメラは、持っているだけで『それ何ですか?』って聞かれる。あぁ、これはカメラなんですよ。一緒に撮ってみますか? って。はい、これでナンパ成功(笑)。いや、ナンパは冗談ですけど、でも、これをきっかけに友達になった人もたくさんいます。

今はスマホでも写真は撮れますけど、こうはいきませんよね。だって、今どきスマホで写真を撮っても、目立たないじゃないですか(笑)。

カメラと本体が離れるEX-FR10も『これ何ですか?』って聞かれることが多いですね。で、その人と写真を撮る。写真を撮ることで人と人がつながっていく。EXILIMは、そういう『きっかけ』をくれるんです。世の中には、一緒に写真を撮ったのがきっかけで恋人になったとか、結婚した人がいるかもしれないじゃないですか。たぶんいますよね。

写真の構図とか画質とか、そういう視点とは別のところで、日々の生活に変化をくれたり、驚きや喜びをくれたりするのがデジタルカメラのいいところだと思うんです」

EX-M2の衝撃は大きかった。そのぶん、格別な思い入れがあるという

デジタルカメラの楽しさに大いに刺激を受けた小宮山氏は、2003年、小宮山氏と同じくEXILIMユーザーである仲間たちの協力のもと、アーティストによるEXILIMファンサイトを企画。2005年に現在の「Digital Photo Life SHOOT UP」としてスタートした。なお、カシオも機材面で協力している。

小宮山氏が指揮を執る「SHOOT UP」は、デジタルカメラとEXILIMを真面目に、おもしろおかしく楽しむサイト。大量のアーカイブは、EXILIMの歴史そのものだ

SHOOT UPでは、毎回、アーティストがEXILIMの最新機種で仕事やプライベートを撮影し、写真を掲載していく。当初、ミュージシャンが中心だったが、近年はクリエイターや俳優、声優、モデルなども参加。今までの参加アーティストは、118名を数える(2015年7月16日現在)。

小宮山氏「SHOOT UPも今年で10年ですからね。10年も続いているWebサイトってなかなかないですよ(笑)。

これのいいところは、本当に何も要求せずにカメラを渡すんですよ。何を撮ってほしいとか、どういう機能を使ってほしいとか何も言わない。全部アーティスト任せです。マネージャーが撮るわけでもなく、プロモーション絡みでもない。僕らは、そのアーティストが自分のライフスタイルの中でEXILIMをどう使うか見てみたいんです。

でも、色々なことができるスマホと違って、カメラって『撮ってなんぼ』じゃないですか。とにかく撮らなきゃ始まらない。みなさん、そこに駆り立てられるみたいなんですよね」