ボーナスやお年玉などをもらい、新たなゲーミングPCの買い替えを検討している人も多いだろう。さらに、昨年はWindows8が発売された年でもあり、環境の刷新にはうってつけのタイミングだともいえる。しかし、新しいOSでの動作には不安を感じている人も多いはず。今回は、Windows 8がインストールされたPCを元に、ゲーミングPCの選び方を考えてみたいと思う。ベースとなるPCは、老舗PCパーツショップであるTSUKUMOのゲーミングPC「G-GEAR」シリーズの最新モデル「G-GEAR neo GA7J-K43/ZE」だ。

CPUとメモリの変更はどれだけゲームに影響するのか!?

CoolerMaster製のPCケースを採用したG-GEAR neo GA7J-K43/ZE

“ゲームを快適に遊べるか”という点においては多数の要素が絡んでくるが、“ゲームを動作させる”うえで重要なパーツは、CPU、メモリ、グラフィックボードの3点と言っていいだろう。しかしCPUとメモリに関しては、大半のモデルで、すでにゲームにおいて十分な性能を確保できている。「G-GEAR neo GA7J-K43/ZE」の標準構成は、CPUがインテル Core i7-3770K(3.50GHz、最大3.90GHz)、メモリが8GBだ。これを多少カスタマイズしても、実は性能に大きな違いは生まれない。

ではどれだけ違いがあるか、PCの総合的な性能を測るFuturemarkの定番ベンチマークソフト「PCMark7」と、3Dゲーム用ベンチマークソフト「3DMark」で確認してみよう。その数値の差を見てみると、以下のようになる。


CPUはCore i7-3770K、同3770(3.40GHz、最大3.90GHz)と、ほぼ性能差がない型番なのでほとんどスコア差は出なかったが、メモリは8GBから16GBに倍増させても、スコアが微増しかしていないことがわかる。このように、CPUとメモリに関しては多少スペックを変更しても、ほとんど体感できない程度の差なのだ。もちろん、極端に性能差が異なるCPUで比較すればスコアに差は出るが、ゲーミングPCにおいて廉価版のCPUを選ぶというのはあまり現実的ではない。では、グラフィックボードはどうだろうか? このパーツこそ、投資を増やせば増やすほど、ゲームの快適さが体感できる。ここからは、ツクモのゲーミングPCで選択できるグラフィックボードを中心に、ゲーミングPCの選び方を解説していこう。

BTOで選択できるグラフィックボード

G-GEARシリーズはPCゲーム向けということもあって、注文時にBTOオプションで好みのグラフィックボードを選択できる。ハイエンドグラフィックボードを複数枚使ったマルチGPU環境から、購入しやすい価格でそこそこの性能が得られるミドルレンジのグラフィックボードまで多彩なメニューが用意されている。予算が許すならばマルチGPU環境を迷わずチョイスしたいところだが、潤沢な予算を投入できる方は少数派だろう。ここでは、予算的にも現実的なミドルレンジ~ハイレンジ帯に位置するグラフィックボード5製品を中心に検証していくことにする。

用意したのはNVIDIAの「GeForce GTX670」「GeForce GTX660Ti」「GeForce GTX660」の3製品と、AMDの「Radeon HD 7870」「Radeon HD 7770」の2製品だ。金額差は、NVIDIAモデルで「GeForce GTX660」を基準とした場合、「GeForce GTX660Ti」が【+7,350円】、「GeForce GTX670」が【+13,650円】となる。Radeonの場合はベースとなるモデルが「G-GEAR neo GA7J-L43/ZE2」となり、標準の「Radeon HD 7870」から「Radeon HD7770」にダウングレードした場合は【-8,400円】となる。

NVIDIAモデルのBTOカスタマイズページでは、5つのNVIDIAチップを利用したグラフィックボードを選択できる。今回はそのうち3製品を検証する

今回検証に使用する5製品。いずれもボードメーカー独自のクーラーが取り付けられており、カードの長さはまちまちだ

ボード長は「AMD Radeon HD 7870 Twin Frozr Ⅲ OC」(右から2番目)のみ長めとなっているが、G-GEAR neoのケースには余裕で収まる