それではまず、グラフィックボード5製品の外観を確認していこう。BTOカスタマイズで用意されたグラフィックスボードのうち、NVIDIAモデルの3製品「GeForce GTX670」「GeForce GTX660Ti」「GeForce GTX660」は、いずれもZOTAC製のもの。独自のコンパクトなクーラーが標準搭載されたモデルで、スペースを抑えながらも高い性能を発揮できそうだ。特にハイエンドに迫る性能を誇る「GTX670」に注目したい。「GTX660Ti」と「GTX660」は一見同じに見えるが、横から見るとヒートパイプの本数と、PCI-E 6pin電源の数が異なる。

AMDモデルは「Radeon HD 7870」搭載ボードが、自作市場で人気のMSI「Twin Frozr Ⅲ OC」となっており、基板設計からクーラーまで大きくカスタマイズされている。通常モデルよりも高い性能を発揮できそうだ。「Radeon HD 7770」はSAPPHIRE製で、今回のグラフィックボードの中で唯一ファンが1基のみとなっている。その分、PCI-E 6pin電源の数も1系統のみだ。いずれも自作ユーザーには定評のあるメーカーだ。老舗PCショップであるツクモならではのチョイスといえるだろう。

G-GEAR neoで選択できる、NVIDIA製グラフィックボード。左から「GTX670」、右上「GTX660Ti」、右下「GTX660」となる。いずれもゲームユーザーには定番のZOTAC製だ

こちらはAMD製グラフィックボード。上が「HD7870」、下が「HD7770」だ。「HD7870」には人気の高いMSI製オーバークロックモデル「Twin Frozr Ⅲ OC」が採用されている

Windows エクスペリエンス インデックスの差は?

実際のゲームベンチを動作させる前に、まずはそれぞれのWindows エクスペリエンス インデックススコアを確認してみよう。Windows 8では、Windows 7からさらに数値の幅が拡げられており、最高は「9.9」となっている。しかし、Windows 7に比べ採点が甘くなったというわけではないので、Windows 7の上限「7.9」を超えられるパーツは、依然ハイエンドに限られる。「G-GEAR neo GA7J-K43/ZE」の基本性能は、プロセッサ「8.0」、メモリ「8.0」、ハードディスク「8.1」と、いずれも8点台に突入しており、申し分ないと言えそうだ。グラフィックスの2項目については、「GTX670」が頭一つ抜けており、「8.1」、HD7770が二段ほど落ちる「7.4」、その他3製品は横並びの「7.9」だ。

「G-GEAR neo GA7J-K43/ZE」のWindows 8 エクスペリエンス インデックススコア。全体的に8.0を超えており、非常に優秀だ。グラフィックス系のスコアは、各ボードで若干異なってくる

各種ベンチマークソフトでパフォーマンスを検証

それでは実際のゲームを元にしたベンチマークソフトによるテストに移ることにしよう。今回使用するものは、Futuremarkの定番「3DMark11」、国産ゲームタイトル「ファンタシースターオンライン2」、「ファイナルファンタジーXIV」、「モンスターハンターフロンティアオンライン」、「ロストプラネット2」のベンチマークソフトだ。それぞれ12月時点でのWindows 8対応公式最新ドライバ「NVIDIA Display Driver 310.70 WHQL」および「AMD Catalyst 12.11 Beta Driver」を用いて計測を行っている。

ベンチマーク結果は、おおむね「GTX670>GTX660Ti>HD7870>GTX660>HD7770」というところだ。GTX670のスコアやはり優秀で、フルHD(1,920×1,080ドット)以上の解像度においてこれらのゲームを楽しみたいなら、このランク以上のグラフィックボードを用意するのが理想的だ。次いでGTX660Ti、HD7870、GTX660となるが、ここからの3製品の判断が難しい。GTX660TiとHD7870はベンチマークによって得意不得意の差が出ており、一概にGTX660Tiの性能が高いとはいい切れない。どんなゲームを遊ぶか、そして予算によってチョイスを変えるべきだろう。ゲームによってNVIDIA、AMDと推奨されているチップがあるので、それに合わせて選ぶのもひとつの判断基準だ。この3製品になると価格も手に届きやすいため、選択しやすくなる。現状発売されているゲームはどれも問題なく動作するので、コストパフォーマンスに優れるといえるだろう。最後にHD7770だが、エントリー向けグラフィックということで、ほかの製品に比べると若干パフォーマンスは低めとなる。価格対性能比で言えば健闘しているといえるが、PCゲームをプレイするのであればもう1ランク上げたいところだ。

ベンチマーク動作中の消費電力は?

各製品を使用した際の消費電力も確認してみよう。Windows起動3分後のアイドル時の消費電力と、各種ベンチマークテスト時の最大消費電力をサンワサプライのワットチェッカーにて計測した。5製品いずれも、「3DMark11」もしくは「ファイナルファンタジーXIV」のベンチマークでピーク値を示した。

ピーク時はRadeon勢が全体的に低めの数値を計測した。特にHD7770は、圧倒的に低い数値となっており、省電力には効果が高い。3D描画能力を必要としないブラウザゲームなどを長時間プレイするというのなら、HD7770という選択肢もありそうだ。GTX670、660Tiは、アイドル時・ピーク時の消費電力ともに高めとなっている。だが、描画能力の高さに比例しており、電力効率が悪いというわけではない。