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以前の記事でも既定のWebブラウザーを変更する方法を紹介したが、Windows 10 バージョン1607は当時といくつかの相違点が存在する。そこで、2016年末時点の既定Webブラウザーに関する設定方法と注意点を紹介しよう。

EdgeはCortanaのベストなWebブラウザーなのか

Microsoftは、Windows 10ユーザーにMicrosoft Edgeを、そしてBingを使わせたい。前者はWebブラウザーのシェアやテレメトリー(遠隔測定法)データ、後者はインターネット上の検索トラフィックの重要性に影響するからだ。Googleのように、検索ワードをはじめとするユーザー行動のビッグデータを、広告施策に生かすという道も当然あるだろう。

こうした思惑はともかく、利用者としては好きなWebブラウザーを使わせてほしいものである。だが、既定Webブラウザーの変更を行うと、確認を求められるようになった。

あらかじめサードパーティ製Webブラウザーをインストールし、既定Webブラウザーの変更を行うと、「設定」の「システム/既定のアプリ」が起動する。そこに並んだ「Webブラウザー」のアイコン→サードパーティ製Webブラウザーと順にクリック/タップ

すると切り替える前にメッセージが現れるようになった。ここでは「強制的に変更する」をクリック/タップ

加えて、タスクバーの検索ボックスからキーワードベースの検索を実行すると、既定のWebブラウザー設定は反映されず(Microsoft Edge以外のWebブラウザーを規定にしていても)、必ずMicrosoft Edgeが起動する。

タスクバー上の検索ボックスに任意のキーワードを入力し、「ウェブ」の検索候補をクリック/タップ

既定のWebブラウザーを変更しても、起動するのはMicrosoft Edge。さらに設定を元に戻すようにうながすメッセージが現れる

何らかの関連付け設定が切り替わらないのかと思えば、そういう訳でもない。ファイル(の拡張子)やプロトコルベースの紐(ひも)付け先は、規定のWebブラウザー設定が適用される。規定のWebブラウザーをMicrosoft Edge以外にしていれば、HTMLファイルやインターネットショートカットファイルをダブルクリックした際や、アプリケーション内のテキストリンク(URl)をクリックした場合は、規定のWebブラウザーが起動する。

コントロールパネルの「既定のプログラム」では、拡張子やプロトコルベースの切り替えが行われていることを確認できる

UWP(ユニバーサルWindowsプラットフォーム)アプリケーションの「はじめに」のリンクをクリックすると、Microsoft Edgeではなくサードパーティー製Webブラウザーが起動する

この仕様はWindows 10 バージョン1607ではなく、2016年5月からCortanaに加わった仕様変更によるものだ。詳細は拙著記事をご覧いただくとして、「既定のWebブラウザーを変更したのに、Microsoft Edgeが起動してしまう」のは、利用者の設定ミスでもなければ、Windows 10のバグでもない。

今回は読者からの同様の質問をいくつか頂戴したので、改めてご紹介することにした。残念ながら現時点で対応策は存在しない。消極的な回避策という意味では「検索ボックスを使わない」ことだろうか。

阿久津良和(Cactus)