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何らかの理由でハードウェアのデバイスドライバを入手できなくなり、PCの中にしか存在しない場合、「Dism.exe」を使って保存することが可能だ。今回はデバイスドライバのバックアップ方法を紹介する。

「Dism.exe」コマンドでバックアップを作成する

一昔前と異なり、最近のWindows 10はインボックスドライバの充実し、Windows Update経由でもデバイスドライバを適用できるため、デバイスドライバ本体を確保しておく必要性は薄くなった。それでも一部の周辺機器は、ベンダーのWebサイトでしかデバイスドライバを入手できず、手元に保存しておかないと不安だ。

筆者はNAS上にベンダーが配布しているデバイスドライバを格納し、再セットアップ時に活用している。デバイスドライバの有無とは別に、例えばプリンターのように、Microsoftが用意するインボックスドライバよりも、ベンダーが提供するデバイスドライバのほうが高性能なケースも多いからだ。

ただ、こうした運用は、積極的にはおすすめしない。ベンダーのWebサイトを定期的にチェックして、新バージョンのデバイスドライバをダウンロード、必要に応じて動作を確認し、NASに保存したものも更新……という手間が発生する。

こちらは筆者が仕事で使っているモノクロレーザープリンターの設定画面。ベンダー製のデバイスドライバを使っている

同じプリンターのインボックスドライバをそのまま使用すると、両面印刷などの機能が正しく動作しない

話を戻して、万が一に備えてPC(Windows)内からデバイスドライバをバックアップする方法だ。

今回は、Windows 10のコマンドラインで「Dism.exe」を使う。Dism.exeは、Windows Vistaから搭載された展開イメージのサービスと管理ツールである。パッケージやドライバの追加・削除・列挙、Windows機能の有効化・無効化などを行う。今回の操作は、例示したコマンドをそのままコピー&ペーストすればよい。

「Win」+「X」キーを押すかスタートボタンを右クリック/長押ししてクイックアクセスメニューを開き、「A」キーを押すか「コマンドプロンプト(管理者)」をクリック/タップ

コマンドプロンプトが起動したら、下記のコマンドを順番に入力し、「Enter」キーを押して実行

mkdir C:\DriversBackup
dism /online /export-driver /destination:"C:\DriversBackup"

これでデバイスドライバーのバックアップは完了した。バックアップの結果は、エクスプローラーで「C:\DriversBackup」フォルダーを開いて確認できる。今回はHyper-V仮想マシン上のWindows 10で実行しているため、バックアップ内容も少ないが、実機で実行すると、お使いの環境によっては10~80のフォルダーが作成されるはずだ。

こちらがバックアップしたデバイスドライバ群。デバイスドライバごとにフォルダーで切り分けられる

補足として、コマンドラインの内容も紹介しておこう。今回は「mkdir」コマンドでバックアップ用フォルダー「C:\DriversBackup」を作成し、「dism」コマンドの「/export-driver」オプションでデバイスドライバーのバックアップを、「/destination」オプションで指定したフォルダーに出力している。クリーンインストール作業に備えて、別のデータドライブを指定する場合、バックアップ用フォルダーのドライブ文字を変更するとよい。

阿久津良和(Cactus)