キャバリア・キングチャールズ・スパニエルの子犬

「騎士」という意味の名前を持つ

■キャバリア・キングチャールズ・スパニエルの歴史
「キャバリア」あるいは「キャバ」の愛称で親しまれているキャバリア・キングチャールズ・スパニエル。イギリス原産の小型犬として知られています。

「キャバリア(Cavalier)」は「騎士」を意味し、「キングチャールズ」は、17世紀のイングランド王・チャールズ1世、2世に大変愛されたことに由来します。特にチャールズ2世はこの犬種に夢中になったあまり、国王としての職務を怠り非難されたとの逸話も残っています。

スペインやフランスの鳥猟犬を祖先とする小型のスパニエル犬は、16世紀以降、イギリス王室の愛玩犬として長くかわいがられてきました。当初はマズル(鼻口部)の長い犬でしたが、18世紀に入り、よりマズルの短い犬が流行したことにより、バグやチンなどと交配され短ふん種(マズルの短い種)へと変化し、のちにキングチャールズ・スパニエルの名を得ます。短ふん種の流行に伴い、とがった鼻のスパニエル犬はほとんど忘れられた存在となってしまいます。

1920年代に、裕福なアメリカ人、ロズウェル・エルドリッジはチャールズ2世の肖像画に描かれたスパニエル犬の姿に魅せられ、多額の懸賞金をかけ、その復活に奔走します。彼の熱意に刺激されたブリーダーたちは、時折先祖帰りをして産まれる口ふんの長い個体を固定させ、チャールズ2世時代の姿に近い犬の作出に成功。復活を遂げたこの犬種は、中世への回帰の意味を込めて「騎士」の名を冠され、「キャバリア・キングチャールズ・スパニエル」と名付けられます。

イギリスでは1945年に公認され、1960年代には王室がこの犬種を愛玩したことにより国民的な人気を得るに至っています。アメリカでも多くの愛好家を擁していますが、公認は1995年と大きく遅れました。

■キャバリア・キングチャールズ・スパニエルの特徴と性格
キャバリアはキングチャールズ・スパニエルの改良犬ですが、過度な小型化をしなかったため、サイズはキングチャールズ・スパニエルより一回り大きくなっています。体高は33cmほど、体重は5~8kgが標準的です。また、キングチャールズ・スパニエルからの改良の目的のひとつが「屋外で飼える」ことであったと言われるように、とてもタフで活発です。

性格はとても穏やかで優しく、愛情豊か。とても賢く好奇心旺盛で、人間のいうこともよく理解します。トレーニングやしつけもしやすく、手もかかりません。ほとんどほえず、子どもや他のペットともすぐに仲良くなれるなど、最良の家庭犬と言えるでしょう。

■飼うなら…
活動的で運動量が多いので、適度な散歩を欠かさないようにしましょう。肥満になりやすい体質ですので、食事にも気配りが必要です。本来は屋外でも飼育可能な犬種ですが、基本的には室内飼いが望ましいでしょう。

知的で忠実ですので、しつけもしやすいですが、厳しいトレーニングは苦手。褒めて理解させることが大切です。柔らかくウエーブがかかった被毛がもつれないよう、こまめで丁寧なブラッシングを心掛けましょう。       

■画像提供元
ペットショップ「COO&RIKU」