イタリアン・グレーハウンドの子猫

ルネサンスが生んだ優美な傑作

■イタリアン・グレーハウンドの歴史
「イタグレ」「I.G.」の愛称で知られるイタリアン・グレーハウンドは、イタリアを原産とする犬種です。その起源は大変古く、数千年前までさかのぼるとされます。

古代エジプトの花瓶や食器などにその姿が描かれており、約6000年前の墳墓からはミイラが発見されています。古代ローマ時代には貴族の愛玩犬として人気を博し、紀元前5世紀初頭にはイタリアに渡ったと推測されます。

イタリアではルネサンス期に大きな発展を遂げます。貴族の間で珍重され、著名な画家による絵画も多く残されています。17世紀にはイギリスに渡り、ここでも王族、貴族に愛されました。その後、各国に輸出され、近代になると一般の人たちの間にも広まりました。

しかし第二次世界大戦後、小型化を目的とした繁殖のために犬の健康が損なわれ、著しく数が減少してしまいます。この危機は、アメリカから良質な血統の犬がイギリスに逆輸出され、交配することで回避されました。

日本に紹介されたのも古く、江戸時代に輸入され、高貴な身分の女性たちに愛されました。現在も多くの頭数が登録され、大きな人気を誇っています。

■イタリアン・グレーハウンドの特徴と性格
「イタリア・ルネサンスの誇り」とも呼ばれるイタリアン・グレーハウンド。体格は細身で、小型犬種の中でももっとも美しいとされる、優美で洗練された犬種のひとつです。被毛は短くなめらかで、とても美しい光沢があります。体臭はほとんどありません。

飼い主にはとても忠実で優しく、一緒にいることを好みますが、他人に対してはやや神経質な面も見られます。遊び好きで好奇心旺盛。活発で、走るものを追いかける習性があります。普段はとてもおとなしい犬ですが、体格に比較して大きめのほえ声も特徴です。

■飼うなら…
寒さに非常に弱いので、飼育には十分な温度管理が必要です。走り回ったりジャンプすることを好みますが、脚が細く折れやすいため、骨折にも注意しましょう。

また、繊細で感受性が強い一面がありますので、過度なストレスを与えないよう工夫が必要です。

■画像提供元
ペットショップ「COO&RIKU」