新生活家電シリーズの第4回目は、オーブンレンジ紹介の後編をお届けしたい。今回紹介するのは、東芝とシャープのオーブンレンジに加えて、前回の記事掲載後に発表された日立アプライアンスの製品だ。

遠赤外線効果の高い石窯オーブン・ドーム - 東芝

東芝(東芝ホームアプライアンス)のオーブンレンジは、石窯ドーム・石窯オーブンという機能を特徴としている。石釜オーブンは庫内の扉側を除いた5面に遠赤外線を発生させるコーティングが施されたものだ。一方の石窯ドームは、扉側と上面以外に遠赤外線コートが施され、上側に湾曲したヒーターを装備したもの。いずれも、オーブン調理の際に効果を発揮する。

同社では、黒にカラーリングを統一した「BLACK Series」のキッチン家電を展開しており、その中にはスチームオーブンレンジ「ER-JD7A(K)」もラインナップされている。ER-JD7Aは標準タイプの「ER-JD7A」カラーバリエーションモデルだ。庫内容量26Lで、サイズはW480×D400×H348mmと、これまでに取り上げてきた他モデルに比べると大きい。しかし、脚間寸法は、前が342mmで後ろが397mmとさほど広いわけではなく、パーソナル向け冷蔵庫の耐熱トップに置けないこともない。

26Lだが、設置スペースは少なくて済む「ER-JD7A(K)」

ER-JD7A(K)はフラット庫内タイプで、蒸し調理などに効果を発揮するスチームや、250度の過熱水蒸気も利用できる(角皿式)。レンジでの最高出力は1,000Wだが、この出力を利用できるのは3分間のみで、その後は600Wとなる。オートメニューは30種類で、ごはんや飲み物、温野菜、弁当といった基本的なレンジ調理に加え、ハンバーグやグラタン、肉じゃがなどの総菜、3分・5分・8分という短い時間で調理可能なスピードメニューなどが登録されている。センサーは赤外線タイプだ。

コンパクトモデルとしては、庫内容量17Lの「ER-J3A」がラインナップされている。各社のコンパクトモデルがターンテーブル式を採用するのに対して、ER-J3Aはフラット庫内タイプだ。掃除が楽な反面、トーストは焼けない。オートメニューは6種類を搭載。本体サイズはW450×D362×H298mmで、脚間寸法は326mmだ。最高出力は850Wだが、こちらもER-JD7Aと同様に、その出力が利用できるのは最初の3分間だけで、その後は600Wとなる。

コンパクト&高機能なヘルシオとシンプルに撤したオーブンレンジ - シャープ

シャープは、何はともあれ「ヘルシオ」ということになる。それまで、業務用でしか使われていなかった過熱水蒸気調理を一般ユーザーでも手軽に使えるようにした点で、同シリーズの功績は大きい。ヘルシオの最小モデルが、庫内容量18Lの「AX-CX2」。20Lを切る庫内容量で過熱水蒸気(しかもタンク式)を備えているのはこのAX-CX2のみだ。

ヘルシオシリーズのなかで最もコンパクトな「AX-CX2」

オートメニューも51種類と豊富だ。ウォーターオーブンの特性を活かした健康メニューのほか、ごはんとおかず、パスタとソースといった複数を同時に過熱するセットメニューなどが用意されており、幅広く活用できる。ただし庫内容積が小さいため、セットメニューは、トーストと卵料理の組み合わせ以外では1人前となる。庫内容量26Lの「AX-MX2」以上になると、パスタとソースといった組み合わせでも、2人前を同時に過熱することが可能だ。1人暮らし用と完全に割りきるのならば、AX-CX2、そうでないのならば、それ以上のサイズを選んだ方がよいだろう。AX-CX2の本体サイズはW490×D400×H345mmで、18Lという庫内容量を考えると大きめだ。脚間寸法は394mm。レンジとして使用した場合の最高出力は1,000Wだが、最高出力が利用できるのは3分間のみで、それ以降は600Wとなる。

これは、他の小容量オーブンレンジ全体にも言えることではあるが、20L以下の小容量タイプでも高機能モデルでは、26Lクラスの普及モデルのほうが店頭では低価格で売られるケースが少なくない。

シャープでは、ヘルシオとは別に、シンプルなオーブンレンジもリリースしている。庫内容量が15Lの「RE-S15E」、20Lの「RE-S204」がパーソナル向けのモデルといえるだろう。どちらもターンテーブル式を採用している。

自動メニューは、RE-S15Eが「サックリ解凍」「冷凍ごはん」「牛乳・酒」「トースト」「フライあたため」「コンビニメニュー」など8種類、RE-S204は、これに加えて「ゆで野菜」「グラタン」「ケーキ」、ヘルシーメニューの「唐揚げ」「オーブンフライ」「茶碗蒸し」「酒蒸し」などが利用できる。メニュー数は22だ。ヘルシーメニューは、ヘルシオのように余分な脂を落とす調理というわけではなく、油を使わずに調理するフライ料理や蒸し物となっている。

本体サイズは、RE-S15EがW450×D365×H290mmで、RE-S204がW470×D395×H300mm。脚間寸法はRE-S15Eが365mmでRE-S204が390mmだ。レンジ出力は、RE-S15Eが500WでRE-S204が900Wだ。なお、900Wで使用できるのは3分間だけで、それ以降は600Wになる。

リニューアルしたコンパクトサイズのシンプルモデル - 日立アプライアンス

日立アプライアンスは、前回の記事を掲載した後に、「MRO-JT5」という庫内容量18Lのパーソナル向けオーブンレンジをリリースしている。MRO-JT5は、「MRO-GT5」の後継モデルのターンテーブル式オーブンレンジだ。MRO-GT5は、重量センサーと温度センサーを搭載し、レンジ最大出力950W(連続過熱は600W)を誇るなど、このクラスの製品としては高いレベルでバランスが取れた製品だった。

MRO-JT5も基本的にはMRO-GT5の機能を継承しているが、オートメニューに変更が加えられている。MRO-JT5、GT5ともに、オートメニューは18種類。その中には「焼きそば」「冷凍めん」「コンビニ弁当」といった、いかにもパーソナル向けオーブンレンジといった内容が並ぶ。MRO-GT5では、ここに「簡単丼」「簡単煮物」というメニューがあったのだが、MRO-JT5ではこの2つは廃止されている。

廃止された2つのメニューについて触れてみよう。例えば、簡単丼で作る親子丼のレシピを見てみると、冷えたごはん、卵、タマネギに加えて、肉は缶詰めの焼き鳥を使用するというように、とにかく手順を省くために豪快な内容になっていた。MRO-JT5では、この2つに替わり、より一般的な「冷凍ごはん」「蒸し物」が登録されている。本体サイズはW470×D400×H300mmで、脚間寸法は366mmだ。

パーソナル向けオーブンレンジとして、高いバランスを持つ「MRO-JT5」

--次回に続く--