『Ray』専属モデルの松元絵里花(21)が10月30日、自転車競技イベント「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」(11月4日さいたま新都心駅周辺で開催)の広報部長としてメディアキャラバンを実施した。松元は「広報部長」という肩書を、どのように捉えているのか。

ツイッターでファンに投げかけた「自分の第一印象ってどんななんだろ」。インスタには家族愛があふれ、カメラマンを目指して奮闘中の兄とは夢を誓い合う。福岡から上京して感じる不安。モデル業界で生き抜くことの厳しさ。

ばらばらのように見えるこれらのことを彼女自身の言葉でつなげていくと、仕事に向き合う姿勢が浮かび上がる。メディアキャラバンの締めくくりに彼女が残した言葉とは。

松元絵里花(まつもと・えりか)
1995年12月14日生まれ。福岡県出身。身長168センチ。2014年にファッション誌『Ray』(主婦の友社)の専属モデルに起用され、18歳で上京。2016年には三愛水着楽園イメージガールに選ばれる。フジテレビ系『めざましテレビ』のコーナー「イマドキ」にレギュラー出演中のほか、「東京ガールズコレクション」「ガールズアワード」などのファッションショーにも多数出演している。 撮影:島本絵梨佳

自転車の知識はママチャリ止まり

――今日は9社のメディアキャラバン。マイナビニュースが最後となりますが、インスタに「朝からものすごくお久しぶりにお会いする方と取材で再会できたり、2年以上前に取材していただいた場所でまた取材して頂いたり、懐かしくてちょっぴり照れくさい気持ちとまたこんな風にお仕事でお会い出来たことが嬉しくて、もっと頑張ろう!と気が引き締まりました!!」と投稿されていましたね。

三愛水着楽園イメージガールの頃に取材してくださった方や久しぶりにお会いできた方もいて、「成長したね」と言ってもらえてうれしかったです。

――そういう再会の機会はなかなかないものですか?

大きな仕事が決まった時はあるんですけど、もっと会えるようにがんばらなきゃと思いました。

――がんばってきたかいがありましたね。さて、今日は「ファッションモデルが広報部長を務める」というのは、一体どういうことなのか。そこを掘り下げていきたいと思います。マネージャーさんからこの仕事の話を聞いた時、率直にどう思いましたか?

とても嬉しかったです! でも、なんで私なんだろうと。ロードバイクのことも全く知らないのに大丈夫かなという不安の気持ちが大きくて。ロードレースも観たことなければ、自転車の知識もママチャリ止まり。埼玉もあまり行ったことがなくて、それぞれの魅力をきちんと伝えられるか不安でした。

――「広報部長」は重い肩書ですね。「イメージキャラクター」とは違う。

そうですね。「伝える役割」です。まずは「知らないことから知ること」を努力しました。自転車の知識を身につけるためにノートを作って、ネットや本や雑誌を調べて、本大会のルールや仕組みから理解を深めました。運営側の方からは「同じ年代の方に知ってもらえるように活動してほしい」と。SNSを使ったりして、情報を発信しています。

このお仕事がきっかけで自転車の魅力にハマって、クロスバイクを買いました。サイクリングしたり、プライベートで楽しんでいます。やっぱりスピード感がママチャリと全然違う(笑)。普段は行かないところでも足を伸ばして行ってみようかなとか、遠回りして帰ってみようかなとか。行動範囲が広がって、ジム通いにも便利です。さいたま市は自転車に乗っている人がすごく多いんですよ。自転車用のレーンや止めるスペースもあったり。自転車が身近にある街なんだと、さいたまに行って初めて分かりました。

――仕事を通じて土地や競技の魅力を知る。すごく得ですね(笑)。

そうですね(笑)。趣味が新たにできたのでうれしいです。

――プロフィールにある「趣味:自転車」は、この仕事がきっかけで?

はい。最初にロードバイクにまたがったときはサドルが高いので目線が下になって怖かったんですけど、走り始めたら自然と顔も上を向いて、風もすごく気持ち良くて。坂道がそんなにつらくないのは意外でした。

埼玉を走ってみて、地方から出てきた方にはすごく落ち着く場所なんじゃないかと感じました。公園もたくさんあって自然豊かですし、静かな住宅地もあれば、ちょっと出ると新都心のような都会もある。私は福岡出身なんですが、自然と都会のバランスがすごく似ているなと思います。大宮は住みたい街ランキングでも上位に入っていますが、実際に行ってみて分かりました。

――就任されて3カ月ほど。広報部長としての自己採点は?

反省点ばかりです(笑)。より良い伝え方を日々試行錯誤。開催当日にレポーターを務めさせていただくんですが、どのように伝えるべきか今も悩んでいます。何をどのように伝えれば私みたいな初めての人にも届くんだろうとか。世界で活躍されている選手にもお会いできる貴重な機会がありますので、たくさんのことを聞いてこれからのためにも吸収したいと思います。

――広報部長就任前後で変わったことは?

伝えるために必要な言葉を知るためにニュースを読むようになりました。自転車の最新情報もチェックして、動画を観たり。できるだけ自分の中の知識を深めようと思っています。私自身がすごく自転車競技に惹かれたので、さいたまクリテリウムが終わっても続けていきたいです。

「やらなければいけないこと」を成長機会に

――物事にハマるのは自ら? それとも周囲から勧められてハマることの方が多い?

両方ありますが、周囲の勧めでハマることは上京してから多くなりました。東京に来て、自分が本当に何も知らないと思ったので、まずは人から勧められたことをやってみようと。マラソンもそうです(17年3月の「名古屋ウィメンズマラソン」でフルマラソンを4時間38分で完走)。マラソンを好きになったきっかけもお仕事でした。上京して、きっかけをいただいてからハマることの方が増えています。

――仕事を通じていろいろなことが身についているわけですね。

まさか自分がここまで体を動かすことに熱中するとは思ってなかったです(笑)。可能性が広がったというか、自分の知らない一面を知ることもできて、すごくありがたいです。

――ジム通いはモデルのスタイルをキープするため?

福岡にいるときは、疎かになっていました。福岡でもモデルをしてたんですけど、「学生だし別にいっか」みたいに怠けてしまって。モデルの仕事をメインに上京して、そうやって思っていた自分が恥ずかしくなりました。本気でやらないと。「ジム通いも仕事」と思って通っています。

――東京がそうさせたんですか? それとも専属モデルになって痛感されたのか。

両方だと思います。東京で生活している方々は、常に何かに向けて努力されているなと。自分が今できることは何かと考えた時、とりあえず体を作ろうと思ってジムに通いはじめて。それからやっぱり、東京のモデルさんは細い。自分は食べても痩せるタイプじゃないので、やりすぎぐらいが丁度いいかなと思って、週5で通っています。いちばんひどかったときは毎日(笑)。行かないとすごく怠けた気分になって不安になるんです。