Appleの子供向けワークショップ「サマーキャンプ」の季節が今年もやってきた。これは8歳から12歳までを対象に、全国6店舗のApple Storeで実施されており、全3日間にわたる工程で、Apple製品を利用し、子供たちがムービーや音楽制作、プログラミングにチャレンジする。
例年、iMovieやGarageBandを使って、ワークショップが実施されていたが、今年はそれらに加え、Spheroのスマートトイ「SPRK+」を使って、プログラミングの実践講座が開講された。SPRK+はボール型のロボットで、iPadにインストールしたプログラミングアプリ「Sphero Edu」を利用し、コードを書くことで本体の制御が行える。
初日は「Tynker」というプログラミング学習アプリを使って、基礎を学び、最終日までにストーリーを組み上げ、Sphero Eduで書いたコードからSPRK+を動かすというのが、今回の大まかな流れ。筆者は三日間の成果を披露するという最終部にお邪魔した。
iPadとSPRK+を手にした子供たちはストアの床に描かれた迷路を囲うようにしてしゃがみ込む。各自、迷路のスタート地点は決まっていて、そこにSPRK+を置き、書いたコードを実行していく。キーになるアクションは、回転と停止、サウンドの再生に、内蔵LEDによる光の表現だ。子供たちはこれらを組み合わせて迷路を辿り、物語を紡いでいく。
次々にテーマが発表され、プログラミングが実行に移されていった。殆どの子が、思い通りに動かせたようで、要所要所に効果音が鳴り響き、LEDが煌く。Sphero Eduでは基本的な動作はもちろん、複雑な動きも付けられるようになっており、プログラミングツールとしては、結構、本格的なことができる。「SPRK」は、学校 (School)、親 (Parents)、ロボット (Robots)、子供 (Kids)の頭字からその名が付けられているのだが、それが示す通り、教育の場で、親子がロボットを通じて一緒に学んでいくというイメージがピッタリ来る知育玩具なのだ。
今回はSphero Eduを利用してコードを書いていったが、SPRK+は、Appleが提供するプログラミング学習アプリ「Swift Playgrounds」でも動かすことができる。Swift Playgroundsは、パズルゲームを解く感覚でプログラミング的思考やコーディングを身に付けられるというiPadアプリで、プログラミング初心者でも、楽しみながらインタラクティブに学べるというのを謳い文句としている。今年の6月にAppleは、Swift Playgroundsにロボットやドローン、楽器などをプログラミングできるプログラムを追加したのだが、その中のひとつがSPRK+だったというわけだ。
サマーキャンプでのワークショップは、これまで何度か取材してきたが、iPadとSPRK+という組み合わせは、子供たちにとって、強力な相棒となっていたのが印象的だった。SPRK+の「可愛い」フォルムがウケがいいというのはとても良く理解できる。夢中になって遊んで学べる存在なのだ。イベントの終盤、スタッフが「来年も『サマーキャンプ』に来て、SPRK+と遊んでくれるかな?」と問いかけると、瞬時に子供たちは、はーいと手を挙げた。
また、ちょっと笑える話をすると、サマーキャンプの最後は、修了証書とリストバンド型のUSBメモリを渡すのが恒例となっているのだが、スタッフが「三日間一緒に頑張った皆さんにプレゼントがあります」と伝えると、子供たちはこれまた一斉に「SPRK+!」と叫んだ。残念ながら、SPRK+は贈呈されなかったのだが、来年も参加すれば一緒に遊べるし、きっと新しい友達もできる。
修了証書とリストバンド授与後に、これまた恒例の記念撮影。夏休みのいい思い出になったことだろう。
サマーキャンプは例年、受付が始まると申し込みが殺到し、一瞬で席が埋まってしまう。だが、今年からApple Storeで提供が始まった「Today at Apple」のセッション「Kids Hour」では、親子向けに同等のプログラムを用意している。こちらは、映画『スター・ウォーズ』に出てくるキャラクター「BB-8」をプログラミングして動かそうという内容だ。BB-8も実はSpheroのスマートトイで、SPRK+と同じように扱える。
「Today at Apple」の情報はAppleのWebサイトやiOSの「Apple Store」アプリから入手できる。Webサイトからセッションを検索するには「子ども・保護者向け」のボタンから探せば、すぐに実施日時が見つかる。夏休みも、もうカウントダウンで、今から自由研究の課題にというのは難しいかもしれないが、今週末もKids Hourは実施される。予約を入れて夏休みの延長戦を楽しんでみては如何だろう。