【レポート】

窪田正孝主演『僕たちがやりました』満足度が夏ドラマ最低から急上昇! ストーリー展開・キャラクターの成長に期待の声

夏ドラマも中盤に差し掛かった。視聴率ではトップの『コード・ブルー』や『遺留捜査』『黒革の手帖』『刑事7人』など、続編・リメイク作品が好調のほか、『過保護のカホコ』『カンナさーん!』といったこれまでになかった新しいヒロイン像が注目を集める作品も好調を維持している。だが、"満足度"という視点でみると、好調なのは決してそれだけではない。

窪田正孝主演の『僕たちがやりました』(カンテレ・フジテレビ系、毎週火曜21:00~ / 以下『僕やり』)は、視聴率(ビデオリサーチ調べ・関東地区)では、初回の7.9%から先週15日の第5話で5.4%と最低を更新し、なかなか浮上できずにいるが、データニュース社が運営する視聴状況調査「テレビウォッチャー」による満足度は、夏ドラマ初回ワーストのスタートから第2話で急上昇。その後も大きな盛り上がりを見せている。

この「テレビウォッチャー」で、膨大なデータと日々向き合う研究員が、満足度急上昇の理由を探った。

●「テレビウォッチャー」満足度調査概要
・対象局:地上波(NHK総合、NHK Eテレ、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)
・サンプル数:関東1都6県、男性1,200+女性1,200=計2,400 ※回収数は毎日変動
・サンプル年齢構成:「20~34歳」「35~49歳」「50~79歳」各年代男女各400サンプル
・調査方法:毎日モニターにテレビ視聴に関するアンケートを同じアンケートモニターへ配信、データを回収するウェブ調査
・採点方法:最高点を「5」とし、「3.7」以上を高満足度に基準

(前列左から)水川あさみ、新田真剣佑、窪田正孝、永野芽郁、三浦翔平 / (後列左から)川栄李奈、間宮祥太朗、葉山奨之、今野浩喜

初回は暴力シーンに不快感多数

『僕やり』の初回満足度は2.91と夏ドラマ(ゴールデン・プライム帯)で最も低いスタートを切った。高満足度の基準が3.7以上のため、この数値はかなり低い。また昨年のドラマを振り返っても、同じく視聴率で苦戦した『早子先生、結婚するって本当ですか?』(フジ系、16年4月期)の初回2.83、『神の舌を持つ男』(TBS系、16年7月期)の2.81に次ぐ低さだ。

自由記述による視聴者の感想を見ると、初回から低満足度となってしまった理由は明白で、「暴力シーンが多くちょっと不愉快だった」(39歳女性)、「暴力的で何を描きたいのか不明」(60歳女性)、「いじめのシーンが気持ちよくなかった」(46歳女性)など、このドラマの特徴であるバイオレンスなシーンが満足度を低くさせたようだ。

だが、初回から低満足度だった先の2作品と今作が違うのは、第2話での上昇だ。『早子先生』は第2話で3.01、『神の舌』が3.14と、それらは1話で"見限った"視聴者がいたこともあって微増にとどまったのに対し、『僕やり』は第2話で3.52と、0.61ポイントも急上昇させた。もちろん、『僕やり』も見限った視聴者がいたことは否定できないが、第1話・2話ともに視聴した視聴者の変化を定点観測してみると、それだけではないことも伺える。

ある33歳女性は、第1話「暴力的なシーンが多くて見てるのが辛かった(満足度3)」→第2話「逃亡しようとしたのにパイセンつかまるなんて!今後が楽しみ!(満足度4)」。72歳女性は、第1話「高校生が殺すの殺されるのと言って嫌な世の中。現実離れした恐ろしい話(満足度2)」→第2話「騒ぎが大きくなりビビる子供達…軽い気持ちで実行したけど、これからの展開に興味(満足度3)」など、初回は不快と感じていたものの、第2回で物語の展開に引き込まれ、満足度を上昇させた視聴者も多かった。

また、全体の満足度は第2回の急上昇にとどまらず、第5話はこれまでで最高の3.67と高満足度の基準にせまり、後半に向けて盛り上がりを見せている

"ただのバカ"から"気になるバカ"へ

主演の窪田正孝

このように、満足度が大きく上昇しているその理由は、徐々に明かされていく「爆破事故の真相」のミステリー部分はもちろんだが、キャラクターたちの成長物語の面白さもあげられる。

初回の段階では疑問が残った「なぜ爆弾を仕掛けたのか」と「執拗なバイオレンス描写」だが、それが高校生だからこその"ノリ"と"浅はかさ"、"命の軽視"を強く印象付けるための描写であり、それを示すように、第2話以降は爆弾事件をきっかけに、キャラクターたちがそれぞれに成長していく様が丁寧に描かれていく。

そしてその"成長"は、たくましく生きていくことや、過去に自分が犯した罪を省みるといったまっすぐな成長だけでなく、自殺未遂をへてハイな自分に目覚めたり、事件をきっかけに自分の黒い部分を覚せいさせて悪知恵を研ぎ澄ませたりと、決して良い方向の成長だけではないのが、このドラマの新しい部分。

序盤では視聴者の中で"ただのバカ"だったキャラクターたちが、魅力あふれる"気になるバカ"になったことで、視聴意欲が高まったのだ。

また、視聴者の中には「過激すぎて怖いが子供抜きで観たい」(37歳女性)、「見ごたえがあり面白いが、小学生にはあまり見せたくないシーンが多い」(45歳女性)といった声もあり、録画でじっくり大人だけで楽しんでいる視聴者も多く、視聴率では反映されていない部分も多いこの作品。実際に、ビデオリサーチ調べのタイムシフト(録画)視聴率は、第3話まで5%台後半~6%台で推移している。

いずれにせよ、初回より格段に視聴者が盛り上がっている夏ドラマの一つであることは間違いない。最後までその満足度を維持できるのか、そしてリアルタイムの視聴率にも反映されてくるのか、期待したい。

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