日本4号店を新宿サザンテラス内にオープンしたニューヨーク発のハンバーガーレストラン「シェイクシャック」。日本上陸当初は大行列ができた人気店で集客力は依然として高いのだが、日本のハンバーガー業界に乗り込んだ“黒船”にしては、出店ペースが遅い印象だ。

シェイクシャック新宿サザンテラス店

既存店とは様相を異にする立地

まず新宿と聞いて、今までの3店舗とは少し趣の違う立地だと感じた。既存3店は地元密着という意味も含めローカル志向だったが、新宿サザンテラス店では、多種多様な個性を持ち合わせた人々が集う場所でありたいという願いを込め、「connect(コネクト)」をコンセプトに掲げる。

新宿は単なる街ではなく、多くの人が行き交う拠点だ。単なる通過点ではなく、多くの人がシェイクシャックを通じてつながりを持つ。コネクトにはそんな意味を持たせたという。

新宿サザンテラス店をビルの中から見た外観

なぜ新宿なのか

実際、有楽町にある東京国際フォーラム店も多くの人が集う場所の1つに立地しているが、集まる動機が異なる。交通の要衝、いわゆるターミナルという位置ではない。トレンドや情報を発信する街である銀座に近いという利点、これが国際フォーラム店の1番のベネフィットだ。

第1号店舗である外苑いちょう並木店は、本場マディソン・スクエア・ガーデンの雰囲気に近い店舗立地を選択。アトレ恵比寿店もしかり、それぞれが異なる街並みでの店舗立地である。立地によって、どのような客層が集まるのか。異なる立地、客層に関して得られるデータは決して少なくない。

シェイクシャックは残念ながら、まだ全国区の存在ではない。今後どのように店舗を拡大し、知名度を上げるかを考えていることだろう。その場合、ブランドイメージの向上がカギとなる。店舗拡大に際しては、シャイクシャックを見たことがある、または食べたことがあるという顧客を増やす必要がある。そのため、多くの人が行き交い、目に触れる機会の多い新宿という立地に新店舗を設定したのではないだろうか。