6月に入り、梅雨のジメジメした時期が到来しようとしています。湿度が高くなると、洗濯物も乾きにくくなり、体感温度も上がり、不快指数も上昇します。そんなときの強い味方が除湿機能です。除湿をすることで、お部屋がカラッとして快適に過ごすことができます。

除湿の方法には、エアコンのドライ機能やポータブル除湿器がありますが、一体どの方法で除湿をするのがお得で快適なのでしょうか。今回は、上手な除湿方法をご紹介します。

エアコンの除湿には3タイプある

エアコンのモードは「除湿・ドライ」という表示がありますが、「除湿・ドライ」には大きく分けて「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2タイプがあります。

エアコンでの基本的な除湿は「弱冷房除湿」と言い、冷やすことで空気中の湿気を取り除く方法です。コップに氷を入れた水をしばらく置いておくと、コップの表面に水滴がつきます。この水滴は、コップの水ではなく、空気中の湿気です。「弱冷房除湿」はこの方法で除湿をしています。しかし「弱冷房除湿」の欠点は、冷やすことで除湿をして、冷気もそのまま放出するので、空気が冷たくなり、部屋が寒くなることです。

一方、「再熱除湿」は冷たい空気をそのまま出すのではなく、一度温めてから放出します。一度温めるという作業が入るので寒くなりすぎることはありませんが、弱冷房除湿に比べて電気代がかかるのがネックです。

「除湿・ドライ」に加えて、エアコンの除湿機能として忘れてはならないのが、「冷房」機能です。こちらも冷やすことで、除湿も同時にしています。

エアコンで除湿量が一番多いのはどのモード?

エアコンには「弱冷房除湿」「再熱除湿」「冷房」の3つのタイプがありますが、気になるのが除湿量です。東京電力の調査によると、除湿量が一番多いのが冷房です。続いて再熱除湿、弱冷房除湿という順になっています。

除湿量の比較(出典:東京電力「調べてみました!」より)

では、電気料金はどうでしょうか。同じく東京電力の調査によると「弱冷房除湿」が1時間あたり4.1円と一番安く、次いで冷房が11.0円、再熱除湿が14.9円という結果になりました。

コスト比較(出典:東京電力「調べてみました!」より)

つまりがっつりと除湿をしたいのであれば「冷房」機能を使い、ほどほどに除湿をしたいときは「弱冷房除湿」にする方がお得です。

しかし、エアコンによっては「ドライ」=「再熱除湿」であることも多いです。使っているエアコンがどの除湿方式かを知りたいときは、取り扱い説明書の商品仕様をチェックすると方式が書いてありますので、チェックしてみましょう。

いわゆる「除湿機」のコストはどのくらい?

それでは、「ポータブル除湿機」のコストはどれくらいでしょうか。除湿機には大きく分けて「コンプレッサー式」と「デシカント式」の2種類があります。

「コンプレッサー式」はエアコンの冷房運転のように温度差で結露させる方法で除湿をして、タンクに水をためます。「デシカント式」が、除湿機の乾燥剤(ゼオライト)に湿気を吸着させることで、除湿します。その乾燥剤を温めて乾燥させ、出た水分はタンクにたまります。どちらもタンクの水を捨てる手間がかかります。

電気料はどうでしょう。例えば「コンプレッサー式」のTOYOTOMI TD‐C56Dは130Wで、1時間あたりの電気料金は約3円、10時間で約30円。「デシカント式」のTOYOTOMI TD-Z80Dは660Wで、1時間あたりの電気料金は約15円、10時間で約150円です。電気代だけを比較した場合、5倍近くも差がありました(1kWhあたり23円で計算)。

これだけですと、「コンプレッサー式」に軍配があがりそうですが、「コンプレッサー式」にもデメリットがあります。低温時に除湿能力が落ちる、運転音(振動音)が大きい、コンプレッサーが内蔵されているために本体が重いといった点が挙げられます。

「デシカント式」は電気料金が高くなりますが、衣類乾燥に優れ、低温時でも除湿能力が大きく、軽量でコンパクト、運転音も静かです。

どちらもいいとこ取りをしたい場合は、両方の機能を兼ね備えた「ハイブリッド式」があります。部屋干しを上手にしたい人におすすめです。

湿気がこもりやすい部屋は特に注意をしないと、気付いたら衣類や皮製品がカビだらけになってしまうことも。電気代がもったいないからと言って、湿度コントロールを怠ると、余計な出費が増えてしまうかも知れません。上手に除湿をして、快適に過ごしましょう。

執筆者プロフィール : 丸山晴美(まるやま はるみ)

外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している。