【レポート】

乳幼児が気をつけたい食中毒は? 医師が教える、ミルク・離乳食・お弁当対策

乳幼児が気をつけたい食中毒は? 医師が教える、ミルク・離乳食・お弁当対策(画像はイメージ)

梅雨が目前に迫り、毎日食事を用意するパパ・ママにとっては「食中毒」が気になる時期になってきました。特に免疫力の低い赤ちゃんや子どもを食中毒の危険にさらさないためには、どうしたらいいのでしょうか。食中毒になってしまった時の対処法や予防策について、小児科医の竹中美恵子先生に聞きました。

Q.食中毒とはどのような病気ですか?

食中毒には、「感染型」と「毒素型」の2つのタイプがあります。感染型は、細菌に感染した食品をとり、体内に入ってからその細菌が増殖していくことで起きるもの。一方毒素型は、食品の中で細菌が産生した毒素をとってしまうことで起きるものです。

これからの梅雨や夏の時期は、毒素型の食中毒になる人が多いのですが、症状はどちらも嘔吐と下痢、そして腹痛など、共通しています。

Q.赤ちゃんの食中毒を予防するためには、何に気をつけたらいいでしょうか?

赤ちゃんや子どもは、そもそも免疫力が低く菌に弱いので、大人よりも注意が必要です。 ミルクは調乳後、なるべく早く飲ませて作り置きはしないでください。また、赤ちゃんが飲みきれずに残ったミルクも、口から哺乳瓶の中に入った雑菌が繁殖してしまいますので、その場で捨ててください。そして哺乳瓶や乳首は消毒液に浸けたり、熱いお湯をかけたりして、消毒を徹底してもらいたいです。

離乳食についても、作ってから時間が経ったものはあげないこと、食べかけの離乳食はとっておかずに捨てること、新鮮なものをあげることを、意識しましょう。

Q.幼児ではどんな時に食中毒になりやすいですか? どんな対策をしたらいいでしょうか?

朝作ったおかずを部屋に置いておき、それを昼に食べて食中毒になった子どもを診察したことがあります。こんなに短時間でも、食中毒は発生してしまうので、親がしっかりと食品の状態を見てから、子どもに与えることが大切です。

また幼稚園に持っていくお弁当も、毒素型の食中毒を引き起こすことがあります。作ってしばらく経ってから子どもたちが口にするものだからです。大事なのは「手の細菌が侵入しないようにする」こと。お弁当作りは、十分に手洗い・消毒をしたうえで行ってください。

Q.「食中毒かな?」と思ったら、どうしたらよいですか?

子どもは吐きやすく、下痢もしやすいので、それによって食事や水分がとれなくなることが最も大きな問題です。水分は一度にとると吐き戻してしまうことがあるため、ペットボトルのふたに1杯くらいの少量の水分を、こまめにとらせるようにしましょう。子どもがぐったりしている、熱が丸1日以上出ている(食中毒の症状として稀なケースではあります)、ご飯や水分がとれないなどの症状がある場合には、すぐに病院に行ってください。

Q.食中毒にならないための予防策はありますか?

手洗いと消毒が一番の予防策です。調理する人も食べる人も、手に付いた細菌を取り除けば、食中毒にかかるリスクはかなり減らすことができます。子どもが手洗いを嫌がる時は、泡タイプの消毒液や、除菌効果のあるウエットティッシュでふくのも有効です。

そして、食品内の細菌は時間をかけて増殖していくので、できるだけ早く、新鮮なうちに食べるよう意識してください。食品にも使えるアルコールの除菌剤を活用するのも手です。

ほとんどの食中毒は、ちょっとした意識で予防することができます。パパ・ママには、子どもの口に入るものを厳しくチェックしてもらえたらと思います。

※未就学児童の症状を対象にしています

竹中美恵子先生

小児科医、小児慢性特定疾患指定医、難病指定医。
アナウンサーになりたいと将来の夢を描いていた矢先に、小児科医であった最愛の祖父を亡くし、医師を志す。2009年、金沢医科大学医学部医学科を卒業。広島市立広島市民病院小児科などで勤務した後、自らの子育て経験を生かし、「女医によるファミリークリニック」(広島市南区)を開業。産後の女医のみの、タイムシェアワーキングで運営する先進的な取り組みで注目を集める。
日本小児科学会、日本周産期新生児医学会、日本小児神経学会、日本小児リウマチ学会所属。日本周産期新生児医学会認定 新生児蘇生法専門コース認定取得
メディア出演多数。2014年日本助産師学会中国四国支部で特別講演の座長を務める。150人以上の女性医師(医科・歯科)が参加する「En女医会」に所属。ボランティア活動を通じて、女性として医師としての社会貢献を行っている。
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