これから徐々に暑くなってくると気になるのが電気代。総務省家計調査(2016年)によると、単身者世帯(34歳まで)における1年間の電気代は平均3万8,491円、1カ月あたりの平均は3,207円です。

もし、この年間平均額よりも高過ぎるのであれば、日頃の使い方の見直しを検討した方が良いかもしれません。ただし、電気代は季節によって料金が変動しますので、年間の電気代で高いかどうかを見るといいでしょう。

一人暮らしの電気代節約術(画像はイメージ)

電力会社の乗り換えは本当にお得?

2016年4月から電力自由化が始まり、電力会社を乗り換えて電気代を節約しようという流れがあります。しかし単身者が電力会社の乗り換えをして大きく節約できるかと言えばそうでもありません。電力会社によっては高くなることもあるので、事前に比較サイトなどでシミュレーションをするとよいでしょう。またこの4月からガスの自由化もスタートしましたので、ガスとのセットで見直すのも良いかも知れません。

乗り換え時の注意点として、契約の縛りが厳しいプランは避けるべきです。例えば、2年縛りといったものですと解約月によっては違約金がかかってしまい、結局何がどうお得であったのかが分からなくなってしまいます。そうならないためにも、電気代以外にかかる利用明細や請求書の発行手数料や解約手数料など、細かいところもチェックして納得した上で契約をする必要があります。

通信会社の場合は携帯電話とのセットになりますが、携帯電話、電気の契約時期によっては解約時期がバラバラになってしまうことがあるので、注意が必要です。最近では格安SIMやスマホが注目されていて、そちらに乗り換えを検討しているのであれば、なおさら慎重になるべきです。

電化製品の電力消費量を減らす

省エネルギーセンターの調べによると、家庭での電力使用量で多いのが冷蔵庫、照明器具、テレビ、エアコンです。

冷蔵庫は24時間365日稼働しているので、仕方のないものがありますが、冷蔵庫を日当たりの良い場所や壁からぴったりとくっつけて設置をしていると、熱の逃げ道がなくなり、電気の消費量が多くなってしまいます。まずは置き場所を変えるか、窓からの熱が冷蔵庫に当たらないように遮光カーテンをかけるなどの対策が必要です。当然ですが、冷蔵庫を開けっ放しにすると冷気が逃げてしまうので、できるだけ素早く目当てのものが取れるように、冷蔵庫の整理整頓を心がけましょう。

おすすめは、スーパーのレシートを冷蔵庫に貼って、使った食材から消す方法です。これなら、冷蔵庫に何が入っているかがわかるので、冷蔵庫を開ける時間や食材のムダも減らすことが可能です。

また、東京電力などA(アンペア)数で基本料金が変わる電力会社の場合はブレーカーのA数を下げることで電気代を節約することができます。ただし、賃貸住宅に住んでいる場合は大家さんの許可を取ることと、退去時はブレーカーを元に戻すことも忘れないようにしましょう。

照明器具はLED電球や照明を利用することで電気代を抑えることもできますが、1日あたりの使用時間もあまり長くないならば、1球当たりの値段が安い電球型蛍光ランプの方がお得です。

テレビは朝起きて、帰宅して取りあえず電源をつけていませんか。もし時計代わりに付ているのであれば電気代のムダなので、同じつけておくなら消費電力量が少ないラジオがおすすめです。

一人暮らしの電気代はどのような家に住んで、家にどれだけいて、どのような家電製品があるかによっても大きく変わってきます。夏になるとエアコンの電気代がかかってくる時期ですので、いまのうちにプランなどの見直しをしてみてはいかがでしょうか。

※画像は本文とは関係ありません。

執筆者プロフィール : 丸山晴美(まるやま はるみ)

外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している。