日産自動車が中期経営計画「日産パワー88」の最後の年にあたる2016年度の決算を発表した。6年間で営業利益率と世界シェアを共に8%まで引き上げるとした6年計画だったが、これらの目標は未達に終わり、次期中計へ持ち越しとなった。日産は今後の成長に向け、ある市場を重視している。

決算説明会に登壇した日産の西川廣人社長兼CEO

見方によっては達成の営業利益率8%

2つの8%を達成できるかが1つの焦点になった2016年度決算。まずは内容を見ておくと、グローバル販売台数は前年比3.7%増の562万6000台、売上高は同3.9%減の11兆7200億円、営業利益は6.4%減の7422億円という結果だった。

この数値でいくと、営業利益率は6.3%。日産の説明によると、為替影響を除外した場合の営業利益率は7.9%と、あと一歩で目標達成というところまで迫っていた。ちなみに上記の数値は「中国合弁会社持分法ベースの東証届出値」をもとにしているが、「中国合弁会社比例連結ベース」の数字をもとにして、為替影響を除外したうえで計算すると、営業利益率は8.3%となり、目標は達成しているそうだ。

シェア8%は次の6年間の宿題に

では、もう1つの目標であった世界シェアの達成度はどうだろうか。2016年度の全需はグローバルで9181万台だったのに対し、日産の販売台数は562万6000台。つまり世界シェアは6.1%で、目標とは1.9%の開きがあった。

決算説明会で日産の西川社長は、日産パワー88の振り返りとして、事業規模は3~4割の拡大を達成したとしつつも、世界シェア8%については「次の6年間で到達したい」と次期中計に持ち越す考えを示した。

日産パワー88を振り返ったスライド

シェア拡大に向け、西川社長が重視するのが中国市場だ。中国市場における日産のシェアは5%程度だが、これを8%まで伸ばすことができれば、世界シェア8%にも手が届くというのが西川社長の見立て。中国で存在感を増すため、日産は何をするのか。