サードウェーブデジノスは4月27日、ワコムの筆圧感知ペンが標準で付属する8型Windowsタブレット「raytrektab DG-D08IWP」をPCショップ「ドスパラ」で発売した。これに合わせて製品説明会を開催。声優で漫画家の劉セイラさんをゲストに迎えて、ライブドローイングも行った。

声優・漫画家の劉セイラさん(左)、製品企画を担当したサードウェーブデジノス 林田奈美氏(右)

「raytrektab DG-D08IWP」は、クリエイター向けPCブランド「raytrek」で展開する8型Windowsタブレットで、ワコムのペン技術「Wacom feel IT technologies」を採用。4,096段階の筆圧検知に対応し、紙に描いているようなレスポンスのよさ、描き心地を実現するという。

主な仕様は、CPUがIntel Atom x5-Z8350(1.44GHz)、メモリが4GB DDR3L、ストレージが64GB eMMC、ディスプレイが8型(1,280×800ドット)、OSがWindows 10 Home。セルシスのペイントツール「CLIP STUDIO PAINT DEBUT」が標準で付属する。

通信機能はIEEE802.11 ac/a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0。インタフェースはmicroUSB×1(給電兼用)、HDMI×1、microSDカードスロット、Webカメラ(前面/背面ともに200万画素)、ヘッドホン出力×1など。センサに加速度センサ、GPSを備える。本体サイズは約W214×D128×H10.1mm。

2017年3月の発表時から注目を集めた製品だが、店頭入荷分は売り切れとなる人気ぶり。Web直販では1人2台までだが注文可能なので、早めに入手したいという場合は、そちらをチェックするといいだろう。

本校執筆時点では、1人2台までとの制限はあるものの、直販サイトで注文が可能だ。納期は7日

製品企画を担当するサードウェーブデジノス マーケティング本部 BTO事業部 スペシャリスト 林田奈美氏は、「自分がほしかったものを形にした製品」だと説明する。自身も絵を描くという林田氏。絵を描く人の場合、腰を据えて制作するだけではなく、ちょっとした空き時間で資料の裏紙やノートの端に。あるいはカフェや居酒屋で紙ナプキンにと、日常の中で自然に絵を描くことが多い。そうしたときにさっと取り出して使える製品を目指した。

液晶タブレットでのお絵かきをもっと身近にしたいという

8型というディスプレイサイズも絵を描くには小さいのだが、どこでも持ち歩いていつでも使える携帯性を重視。特に女性のバックに入る大きさを意識した。この1台でイラストやマンガを完成させるというよりは、単純に落書きや、ラフ、アタリを付ける、ネームを切るといった作業に向けた製品だといえる。

raytrektab DG-D08IWP

筆者の手が大きめということを差し引いても片手で持てるサイズ感

デジタイザがある分、ちょっと厚みを感じる

インタフェースはmicroUSBとHDMI

特にこだわった点はペンだ。タブレットではN-trigのペン技術を搭載しているものも多い。しかし、メモ書きや資料の赤入れなどの作業には問題ないが、こと「絵を描く」ことについて「馴染めない」という声も聞く。イラストレーターや漫画家の支持を集めるワコム製ペン技術を搭載。4096段階の筆圧検知でペンの入り抜きも表現する。

ペンは鉛筆と同じ6角形。サイドスイッチはあえて非搭載としている

Bluetoothも搭載しているため、Nintendo SwitchのJoy-ConなどBluetooth対応デバイスを接続し、拡大縮小やアンドゥなどのキーアサインをして活用することも可能だ

開発段階ではペンを本体内に収納するというアイデアもでたが、ペンが細くなってしまうため、持ちやすさを重視し、通常のペンサイズを採用する。また、ペンのグリップ部分にサイドスイッチを備えるペンもあるが、ペン軸に何かを巻きつけて持ちやすくするユーザーも多いため、あえて省いているという。ペンの芯は標準芯に加えて、フェルト芯、エラストマー芯の3つを標準で同梱する。

3種類の芯をあらかじめ同梱する

なお、4096段階の筆圧検知までは計測できていないが、同じくワコムの「Wacom feel IT technologies」に対応したペンも利用可能だとした。

また、製品には光沢仕様の保護フィルムが付属するが、非光沢フィルムやペーパーライクフィルムも準備中とのことだ。さらに替え芯のセットやケースも今後投入予定だという。

声優・漫画家の劉セイラさんによるライブドローイングも

発表会にはゲストとして、声優・漫画家の劉セイラさんが登場。劉さんは中国・北京出身で、子どものころから「聖闘士星矢」「幽遊白書」といった少年漫画やアニメを見て育ち、アニメ版の「鋼の錬金術師」で主役の朴璐美さんの演技に衝撃を受け、アニメの声優を志したという。

現在、集英社が運営するWebサイト「ふんわりジャンプ」にて、自身の体験をマンガとした「教えて 劉老師! 2カ国語声優の日常」を連載中だ。

劉さんは、林田氏とトークをしながらライブドローイングを披露。「raytrektab DG-D08IWP」に触れたのは、発表会開始の1時間前だというが、すいすいと構図を決め、絵を入れていく。使い始めた当初は、ペン先と画面に少しずれを感じたというが、描いているうちにすっかり慣れてしまったとのこと。その書き心地を絶賛していた。

ライブドローイングを披露

アタリを付けてペンを入れていく。話の中のリズムが決まると比較スムーズにネームが切れるそうだ

1時間ほどで完成

GW中に開催する同人誌即売会でタッチ & トライイベントを開催

なお、サードウェーブデジノスでは、ゴールデンウイーク中に開催される「COMIC1☆11」「SUPER COMIC CITY 26」「COMITIA 120」に企業ブースを出展し、タッチ&トライイベントを開催する予定だ。