富士フイルムは4月19日、「富士フイルム instax“チェキ”新製品発表会」を開催した。会場には普段からチェキを愛用しているというファッションモデルの水原佑果さんと、ファッション情報誌「Numero TOKYO」の田中杏子編集長がゲストとして出席。今まで以上にチェキをファッショナブルに使いたいユーザーに向けて、新製品「instax SQUARE SQ10(以下、SQ10)」の魅力を語った。
SQ10は、62×62mm(正方形)の写真を撮影、印刷できるスクエアフォーマットのフィルムを採用した。加えて、チェキのinstaxシリーズでは初めて、デジタルイメージセンサーとデジタル画像処理技術を搭載することで、写真画質の向上と画像編集・加工を実現。
チェキの写真をより芸術的に表現できるようになったことから、「ハイブリッドインスタントカメラ」を冠している。製品の概略は別記事『富士フイルムの「チェキ」に初のデジタルイメージセンサー搭載モデル』を参照いただくとして、発表会の様子を通じて新製品のコンセプトとターゲットを整理していきたい。
アナログとデジタルのいいとこ取り
撮像素子には、1/4型CMOSイメージセンサーを採用。内蔵メモリーやmicroSDカードへのJPEG記録に対応したことで、いわゆるデジタルカメラとしても利用可能になった。
デジタルカメラとしてのスペックは、焦点距離が35mmフィルム換算28.5mm固定、絞りはF2.4、オートフォーカスや人物検出などに対応し、シャッタースピードは1/29500~1/2秒(バルブモードは最大10秒)、ISOはISO100~1600(自動切換)、露出制御はプログラムAE、記録画素数は1,920×1,920ピクセルといったところ。
加えてデジタル画像処理技術を搭載し、10種類のフィルター、19段階のビネット(四隅のぼかし)調整、19段階の明るさ調整を組み合わせ、3,600通りを超える画像加工を手軽に楽しめる。保存した画像は、2×2や3×3といったサムネイル印刷も可能だ。
本体背面には、instaxとしては初めてLCDモニターを搭載した。3.0型TFTカラー液晶で約46万画素だ。撮影の前後に背面のダイヤル操作でエフェクトを調整し、液晶で確認してから撮影やプリントアウトが可能。フィルム排出時には、液晶画面に映し出された印刷対象の画像が上部へスライドしていくアニメーションが表示され、フィルムとなって出てくる感覚を強調している。
小難しく考える必要はないのかもしれないが、プロダクトとして見た時、SQ10はかなりユニークな位置づけになる。銀塩フィルムを使うことが銀塩カメラの定義だとすれば、SQ10は紛れもなく銀塩カメラだ。
一方、イメージセンサーで撮影してデジタルデータとして記録することをデジタルカメラの定義とすれば、SQ10はデジタルカメラでもある。そのうえ、撮ったその場でデジタル画像処理が可能でプリントアウトまでできるインスタントカメラ。これは単純に凄いと思う。
SQ10はアナログの風合いや楽しさとデジタルの利便性が享受できる、「アナログとデジタルのいいとこ取り」を実現した、ユーザーが楽しんで使える製品といえそうだ。
SQ10の正面。中央のレンズの右上と左上の2カ所にシャッターボタンを用意しており、右手でも左手でも扱えるようになっている |
SQ10の背面。モニターの下のダイヤルやボタンで、画像の加工や削除、プリント、フィルム交換などを操作。特にフィルターやビネットは独立したボタンを備える。ホワイトバランスなどもダイヤルで感覚的な調整が可能だ |