介護にはいくらかかる?

では、介護にかかるお金はどのくらいなのでしょうか。生命保険文化センターの「平成27年度生命保険に関する全国実態調査」によると、介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担分)は、住宅改修(手すりの取り付けや段差の解消など)や、介護用ベッドの購入など、一時費用の平均合計額が約80万円。月々の費用は平均7.9万円となっています。

同調査では、介護を行った期間の平均は59.1カ月(4年11カ月)。この期間にかかった費用を合計すると、月7.9万円×59.1カ月=466.89万円、それに一時費用80万円を加えると、約547万円となります。この金額を自己負担するとなると、決して安くはないと言えますね。ただし、介護にかかる費用は在宅介護・施設介護によって大きく変わります。

また、要介護認定のランクによって、介護保険から給付される支給限度額にも差が生まれます。要介護認定の区分は「要支援1」「要支援2」「要介護1」「要介護2」「要介護3」「要介護4」「要介護5」の7段階。それぞれの介護サービスの区分支給限度額は、下記の通りです(市区町村によって異なる場合あり)。

要支援1:5万30円
要支援2:10万4,730円
要介護1:16万6,920円
要介護2:19万6,160円
要介護3:26万9,310円
要介護4:30万8,060円
要介護5:36万650円

このうち、1割の金額を自己負担することになり、限度額を超えたサービスも自己負担となります。また、各区分のサービスは、利用者やその家族の経済力、家族がどこまで介護に関われるかなどを考慮し、支給限度額と照らし合わせながらサービスを選んでいくことになります。そのため、実際にかかる費用は人によってばらつきが生じます。