日本マクドナルドは“本格肉厚ビーフ”を売りにする新商品「グラン」を発売する。ビーフを使った商品としては、実に8年ぶりとなるマックの新たなレギュラーメニューだ。新商品は連発してもレギュラーメニューは増やさなかったマックが、ここへきて王道の新レギュラーを追加するのはなぜだろうか。

「グラン クラブハウス」

200種類以上のバーガーを試して開発したグラン

グランは「クラブハウス」「ベーコンチーズ」「てりやき」の3種類で登場。単品の価格は税込みでクラブハウスが490円、残り2種が390円だ。このバーガーの特徴は、通常の1.7倍の厚みを持つビーフパティと「ふわふわバンズ」。上質な肉を使ったパティを売りにするグルメバーガー店が勢力を拡大する中で、マックは同社らしい価格帯に肉を武器とする新レギュラーを投入した。分厚いビーフパティが特徴だった「クォーターパウンダー」の販売終了は一部で話題となっていたが、この枠の後継者としてグランが登場するような格好だ。

グランの種類と価格はご覧の通り。発売は4月5日だ

「クラブハウス」と聞いてマックのファンならお気づきかもしれないが、グランはマックが2016年4月に発売した期間限定商品「クラブハウスバーガー」からインスピレーションを受けた商品だ。

グランの発表会に登場した日本マクドナルド代表取締役兼CEOのサラ・エル・カサノバ氏によると、同社では顧客のニーズに対応できているか真剣に検討した結果、ビーフ商品のバリエーションが求められていることに気付き、評判の良かったクラブハウスバーガーからの発想でグランの商品開発を進めたという。その間、同社では200種類を超す新メニューを検討の俎上に載せ、パティは10種類、バンズは20種類を試したという。

バーガーショップの原点に立ち戻るような新レギュラー

「おいしいハンバーガーとポテト」は、マックに対して顧客が一番に望むことであり、同社としても最も得意なことであると語ったカサノバCEO。2017年のマックは、「dポイント」の導入やキャッシュレス会計の導入予定など、いくつかの革新的な施策を打ち出しているが、カサノバ氏はグランの発売を「今年、最大のイノベーションだ」と言い切った。

グランのできに自信を示したカサノバ氏(中央右)。発表会にはCMにも出演する平井理央さん(中央左)が駆けつけた

マックが「おいしいハンバーガー」の必要性を再認識し、時間をかけて試行錯誤を重ねた新メニューのグラン。ハンバーガーショップが新しいハンバーガーを発売するのは至って普通のことだが、8年ぶりにビーフのレギュラーメニューを世に問うマックからは、普段の新商品発表とは違う本気度を感じた。