「軽さで驚きと感動を与えることができないか」――。これが「LAVIE Hybrid ZERO」の前身、LaVie Z開発の原動力だ。そして、このコンセプトは、いまにつながる基本姿勢でもある。
NECパーソナルコンピュータが、第4世代となる軽量モバイルノートPC「LAVIE Hybrid ZERO」を、2017年3月2日から発売した。最軽量となるHZ350/GAシリーズは、ディスプレイ部が360度回転し、タブレットとしても活用できる2in1 PC。タブレットモードへの変形機構が複雑なため、軽量化が困難とされる構造でありながらも、従来のクラムシェルモデルと比べても、さらに軽量化した約769gを達成し、発売以来、最大のポイントとなる軽さへのこだわりを見せつけた。
今回の新製品では単なる軽さの追求だけではなく、これまでの経験をもとに新たな要素を盛り込んでいる点も見逃せない。NECパーソナルコンピュータ 商品企画本部プラットフォームグループの中井裕介主任に、新たなLAVIE Hybrid ZEROについて聞いた。
モバイルユーザーは軽さ重視
LAVIE Hybrid ZEROは、2012年8月に発売したLaVie Zが初代モデルとなり、今回の新製品で第4世代にあたる軽量モバイルノートPCだ。
13.3型ディスプレイを搭載した製品として3モデル、11.6型ディスプレイを搭載した製品として2モデルを発売。なかでも、13.3型ディスプレイを搭載したHZ350/GAシリーズは、769gというシリーズ最軽量を実現している。
「2012年に初代LaVie Zを発売したときには、ウルトラブックが登場し始めたタイミング。その分野に向けて、NECパーソナルコンピュータはなにができるのかを追求した結果、誕生した製品だった」と語るのは、NECパーソナルコンピュータ 商品企画本部プラットフォームグループの中井裕介主任。「店頭に並んでいる製品は、見た目は薄くて格好いいが、持ってみると見た目以上に重さを感じるものばかりだった。そこで、NECパーソナルコンピュータならではのアプローチができないかと考えたのが、LaVie Zであった」と振り返る。
モバイルユーザーを対象に調査を行ったところ、バッテリ駆動時間よりも、軽さを重視するとの回答が多かったことや、同社のPC開発・製造拠点である米沢事業場において、軽量新素材のマグネシウムリチウム合金を、PCに利用するための研究開発が進められていたことも、世界最軽量のモバイルPCの開発を後押しする要因となった。
「軽さで驚きと感動を与えることができないか」という初代機の開発コンセプトを受け継ぎ、第1世代で875gを達成したLaVie Zは、第2世代では795gとさらに軽量化。そして、第3世代では779gと、このクラスで世界最軽量の記録を更新し続けた。
だが、その一方で、軽さによって、驚きと感動を与えることにも限界が生まれつつあった。