では、それぞれのタイプの違いはどのようなものでしょうか。「通常の保険」「引受基準緩和型保険」「無選択型保険」の3つの違いをわかりやすくするため、以下のように表にまとめました。

「通常の保険」「引受基準緩和型保険」「無選択型保険」の違いが一目瞭然

引受基準が緩和される=加入しやすいほど、保障条件が厳しくなっているのがおわかりいただけますでしょうか。引受基準緩和型では加入後すぐに保障はされるものの、当初の1年間は契約した金額の1/2しか保障されません。

さらに無選択型は、加入してもすぐには保障されない一定の待機期間があるのです。一般的にこの待機期間は死亡保障では2年間、医療保障では90日間と決して短くありません。万一この期間中に災害で死亡した場合は、契約した保険金額が支払われますが、病気死亡の場合ならそれまでに払い込んだ保険料の相当額が支払われるだけなのです。

また、引受基準緩和型と無選択型の両者には、契約引受基準を緩和している代わりに、保険料が割高になるという共通のデメリットがあります。特に引受基準緩和型よりもさらに割高の無選択型は、契約できる保障額も低く制限されているため、場合によっては保障額よりも保険料の総額が高くなる場合もありえます。それならあえて保険でなくても、貯金などで備える方が適切かもしれません。

たとえ病気がちでも、まずは「ダメもと」で通常の保険にトライしてみましょう。特別条件が付く場合でも、条件内容によっては、引受基準緩和型や無選択型より保障が充実しているかもしれません。それでダメなら引受基準緩和型、それでもダメなら無選択型という順であたるように。

病気がちの人にとって無条件で保険に加入できるのは助かることですが、保険料と保障のバランスをよく検討することも大切ですよ。

筆者プロフィール: 武田明日香(たけだ あすか)

エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル! 」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「web R25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)。